筋肉痛,筋トレ

筋トレは筋肉痛にならないと効果ない?メカニズムや回復方法を解説

どんな方でも筋トレをしていて筋肉痛になったことがあると思います。しかし、筋トレをしていても筋肉痛にならなくなった、という人もいるのではないでしょうか?

そんな方のために、今回は以下について解説します。

  • 筋肉痛になる理由
  • 筋肉痛にならない理由
  • 筋肉痛からの回復方法
  • 筋肉痛のよくある疑問と解答

以上についてしっかり把握しておくことで、より効果のある筋トレが出来ると思います。最初は「筋トレすると筋肉痛になる理由」について説明していきます。

筋トレすると筋肉痛になる理由は?

筋肉痛,筋トレ

筋トレをすると誰でも筋肉痛になります。その痛みの理由は筋肉を構成している筋繊維が損傷するからです。人間の身体は傷が出来ると、傷を修復するために炎症反応が起きます。

炎症反応というのがピンとこない方は、転んだ時に膝や肘に擦り傷を作った時のことを思い出してください。その際に、傷の周りに赤みと熱っぽくなる現象が炎症反応です。炎症反応が起きると痛み刺激を生じる物質が生まれます。

私たちは痛み刺激を生じる物質が神経を刺激し、筋肉痛として感じているのです。トレーニングで筋肉痛になる理由は、負荷をかけた部分が熱を帯びて炎症反応が起きているからです。

筋トレで筋肉痛にならないと効果がないは間違い

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多くの方は、「筋肉痛になることで筋トレの効果が得られている」という考え方だと思います。そのため、筋肉痛にならないと筋トレの効果がないと思われても当然です。

しかし、日常的に高い負荷をかけている人や、アスリートの場合は筋肉痛がなくても、筋トレの効果はあるのです。

1度筋肉痛になって修復された筋肉は、次に筋繊維が破壊されたときは筋肉痛を防ごうとする働きをします。そのため、頻繁に筋肉に負荷をかけている人は筋肉痛になりにくいのです。

この効果は、負荷をかけなくなると元に戻るため、しばらくして筋トレを再開すると筋肉痛となります。

筋トレで筋肉痛にならない3つの原因・理由

筋トレ

ここからは、筋トレで筋肉痛にならない3つの原因・理由について説明していきます。しっかりと内容を把握して筋トレで筋肉痛にならなくても問題ないという認識を持ちましょう。

トレーニング内容や負荷に体が慣れてきた

1つ目の理由はトレーニング内容や負荷に体が慣れてきたということです。筋肉痛になっていた負荷でも、その負荷に耐えられる筋肉が付くことで筋肉痛は起きなくなります。

筋繊維が修復される際に、筋肉は負荷に耐えられるように、より大きくなる現象を超回復といいます。筋肉の超回復により同じ負荷を加え続けても筋肉痛は起きなくなるので徐々に負荷を大きくしていきましょう。

対象部位に正確に負荷を効かせられていない

2つ目の理由は対象部位に正確に負荷を効かせられていないからです。きちんとした姿勢やスピードで筋トレを行わなければ、対象部位に負荷をかけられません。

10kgの負荷をかけたくても、間違った筋トレを行ってしまうと半分以下の負荷しかかからなくなります。さらに、間違った方法で筋トレをすると、腰や関節に痛みが出る可能性もあります。

筋トレを始めても筋肉痛にならない場合は、一度やり方を見直してみましょう。

体のコンディションが良く回復時間が早いため

3つ目の理由は、体のコンディションが良く回復時間が早いためです。筋線維が損傷しても、修復が早ければ筋肉痛を感じにくくなります。

筋繊維の修復にはしっかりと休息を取り栄養を取ることが必要です。睡眠不足や疲労を抱えた状態で筋トレを行うと、筋繊維の修復に時間がかかり筋肉痛になってしまいます。

あまり筋肉痛になりたくないという方は、筋トレ後にしっかりとした睡眠と栄養補給を行いましょう。

筋トレ時に起こる2種類の筋肉痛

筋トレ

筋トレ時に起きる筋肉痛には、実は2種類あります。

  • 即発性筋肉痛
  • 遅発性筋肉痛

この筋肉痛の違いにはそれぞれ理由があります。

筋トレ後すぐや筋トレ中に起こる即発性筋肉痛

即発性筋肉痛とは、激しい運動や大きい負荷をかけた際に起こる筋肉痛のことです。即発性筋肉痛は筋トレの直後や筋トレ中に起きるのです。なぜこんなに早く筋肉痛になるか説明していきます。

筋トレはピンポイントで筋肉の過度な緊張状態が続くと血液の循環が悪くなります。その後、筋肉の代謝物である乳酸を生成する過程で水素イオンが生まれます。水素イオンが溜まると、筋肉内が酸性に傾き筋肉痛として私たちは認知するのです。

筋トレ後数時間〜数日後に起こる遅発性筋肉痛

一般的な筋肉痛と言われている痛みは遅発性筋肉痛のことです。遅発性筋肉痛は筋トレ後数時間〜数日後に起こります。特に起こりやすい動きは筋肉を伸ばしながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動です。

筋肉が引き伸ばされた際に負荷がかかると筋繊維は傷つきやすくなります。具体的なエキセントリック運動を以下に例を挙げます。

  • スクワットで膝を曲げる時の大腿四頭筋と大殿筋
  • 腕立て伏せで肘を曲げたときの胸筋と上腕三頭筋
  • デッドリフトで膝を曲げたときの大殿筋

筋トレ後に筋肉痛になった場合の回復方法

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ここでは筋トレ後に筋肉痛になった場合の回復方法について説明していきます。早く痛みが引いてくれると普段の生活も楽になります。筋肉痛が辛いと思われている方はぜひ実践してみてください。

筋肉痛の部分を温めて血行を促進する

先に説明した通り、筋肉痛が起こっている部分は筋繊維が損傷しています。そのため、筋肉痛を早く回復させるためには、筋肉痛の部分を温めて血行を促進する必要があります。

血行が促進されると損傷している部分に栄養が行き届き回復を早めることができるのです。体を温めると血管が拡張し、血管の中を流れる血液の量が増え、血行が良くなるというわけです。

筋トレ直後など熱を持っている時のみ冷やす

体を冷やすと血管が収縮し、血管の中を通る血液の量は減ります。しかし、筋トレの直後などに熱を持っているときにだけ、筋肉痛の部分を冷やすと回復を早めてくれます。また、冷やすことで痛みを緩和する効果もあります。

ただし皮膚に直接アイスバックを当てると凍傷になる恐れがありますので注意してください。タオルや薄い布を間に挟むことで冷やしすぎを防ぐことができます。

冷やす時間は15分程度が目安で、皮膚の感覚がなくなったら冷やすのを止めましょう。冷やした後は皮膚の温度が戻ったタイミングで温めましょう。

軽いストレッチを行って血行を良くする

筋トレや運動をした後は体が熱を持っているため、しばらくすると体が冷えて筋肉が硬くなります。硬くなった筋肉は血管や神経を圧迫し、血行が悪くなるため、回復を早めるストレッチを行い筋肉をほぐすことが効果的です。

また、ストレッチには多くの効果が期待できます。

  • 疲労回復
  • 基礎代謝の上昇
  • 肩こり腰痛の改善
  • 心身の老化予防
  • けがの防止

単に筋トレ後に行うだけでなく複数の効果を期待して、ストレッチは日常的に行うのがいいでしょう。

十分な睡眠で成長ホルモンが筋肉を修復

筋肉を付けるためには成長ホルモンが必要です。成長ホルモンはたんぱく質を合成して筋肉をつける働きがあります。筋トレ自体も成長ホルモンを分泌させることができますが、睡眠でも成長ホルモンは分泌されます。

しかし、ただ寝るだけではいけません。成長ホルモンは午後10時から午前2時の間に睡眠をとることで最も多く分泌されるといわれています。

毎日この時間までに寝るというのは難しいという人でも、筋トレ後は意識して午後10時までには寝るように心がけましょう。

筋トレ前後に行いたい筋肉痛の予防方法

筋トレ

筋肉痛は起きてから回復を早める以外にも予防する方法があります。そもそも筋肉痛を起こさなければ痛みに悩まされることはありません。筋トレ前に予防方法を実践し、筋肉痛を抑えましょう。

タンパク質(アミノ酸)やビタミンB1などの栄養摂取

筋トレの前後に筋肉を修復するたんぱく質、ビタミンB1などの栄養を摂取するようにしましょう。たんぱく質を補給しておく理由は、筋肉を修復するたんぱく質が豊富にあれば損傷した筋肉の修復が早くなり筋肉痛を予防できるからです。

たんぱく質は吸収されるまでに30分かかるので、運動前と運動直後に摂取するのがおすすめです。ビタミンB1は運動するためのエネルギー(ATP)を生むために重要な働きをするので運動前に摂取するようにしましょう。

その他におすすめなのがクエン酸です。クエン酸は疲労物質である乳酸の産生を防ぐとともに、エネルギーを作り出す手助けをしてくれます。

軽いストレッチやジョギングでウォーミングアップ&クールダウン

筋トレや運動をする前はウォーミングアップをしましょう。ウォーミングアップで行うのは動的ストレッチと汗をかく程度のジョギングです。

動的ストレッチとは体を動かしながら行い、筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を広げます。有名な動的ストレッチにはラジオ体操があります。

ラジオ体操なら誰でもできるので、運動前は動的ストレッチを行い怪我予防を図りましょう。筋トレや運動後にはクールダウンをすると筋肉痛を予防することが出来ます。

先に述べた通り、運動後そのまま放置していると筋肉が硬くなり血流が悪くなります。クールダウンとして軽いジョギングや静的ストレッチを行うことで血流が悪くなるのを防ぐことが出来ます。

筋トレ前後はこまめに水分補給する

運動をすると汗をかくことで脱水症状につながる可能性があります。脱水症状の予防で水分補給をしますが、これは結果的に筋肉痛の予防にもなります。

脱水症状になると血管内の水分が減少すると血液がドロドロになり血流が悪くなります。血流が悪くなれば疲労物質の運搬効率が悪くなるため筋肉痛になりやすくなります。

しっかり水分補給をしていると、血流が保たれるため、疲労物質の運搬も行えるので、筋肉痛の予防効果もあるのです。

【Q&A】筋トレの筋肉痛について多い質問

筋トレ,プロテイン

最後に筋トレの筋肉痛について多い質問をいくつか載せていきます。それぞれに答えも載せておきますので、自分に当てはまるものがあれば参考にしてください。

Q. 筋トレ後の筋肉痛回復にプロテインは効果ある?

筋トレ後というよりは、直後にプロテインを飲むのはとても効果があります。筋トレをした後の損傷した筋繊維の修復にタンパク質は必須です。そこでプロテインを飲むことで、筋繊維の修復を早め、筋肉痛の早期回復に役立ちます。

注意点は筋トレ後30分以内にプロテインを摂取することです。30分以内が最も効果が高いといわれているので時間以内に摂取するようにしましょう。

Q. 筋肉痛が治らないままでも筋トレしていい?

筋肉痛が治らないまま筋トレを行うのは控えましょう。筋肉痛があるうちは筋繊維が回復していません。そのような状態で筋トレをしても痛みで十分なトレーニングが出来ずに怪我をする恐れがあります。

超回復により筋肉が今まで以上に太くなるので、しっかり超回復が終わるまで待ちましょう。

Q. 筋肉痛が治るまでの平均期間や目安はある?

   
筋肉痛は長くても1週間あれば治るといわれています。個人差がありますが、筋トレに慣れていない方は筋肉痛が治るまで時間がかかります。痛みのピークは1~3日続き、徐々に治まっていきます。

注意すべきなのは1週間以上たっても痛みが引かない場合です。この場合は筋肉痛ではなく怪我や骨折、肉離れの可能性があるので、病院で医者に診てもらいましょう。

筋トレで筋肉痛に関する正しい知識を持って行おう

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今回は、筋肉痛のメカニズムから回復方法、予防方法まで、筋肉痛に関する情報をご紹介してきました。

筋トレをすると筋肉痛になるのは当然ですが、やり方を誤ったり、筋トレに慣れた状態だと筋肉痛にならないこともあります。

最後まで読んでいただいた方には筋肉痛に関する正しい知識を持っていただけたかと思います。正しい知識をもとに筋トレを行いましょう。

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