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筋トレを毎日するのは逆効果|正しい頻度やメニューの組み立て方を解説

筋トレを毎日やってもOKですが、同じ部位を毎日やるのはNGとされます。筋肉を大きく成長させるには、「トレーニング・栄養・休養」の3つの条件を、揃える必要があるからです。いくら質の高い筋トレをしても、栄養と休養が足りなければ効果は期待できません。

今回の記事では、筋トレを毎日するときの効果的な方法と注意点を紹介します。

筋トレを毎日すると筋肉がつきづらく逆効果

筋トレ,休む

筋トレを毎日すると、筋肉の成長は遅れます。トレーニングとはいわば、体に負荷を与えて筋肉を壊す行為。傷んだ筋肉の修復には、48~72時間かかるとされています。

休んでる間に、筋繊維のまわりにあるサテライト細胞が増殖。繊維の直径を太くし、次なるダメージに備えようとします。また材料となるタンパク質を積極的に摂るなど、栄養戦略も大切です。破壊と修復を何度も繰り返し、筋肉量は増えていきます。

「筋肉はキッチンで作られる」という言葉があります。ジムはある意味で、筋肉を作る所ではなく壊す場所。回復が不十分なまま連日の筋トレを行うと、筋肥大のタイミングは失われます。

使った部位はしっかり休ませ、たっぷり栄養を与え、より強靭に育てる。これが筋肉を効率よく増やすための王道です。

筋トレを毎日すべきでない理由や適切な頻度

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ダメージを受けた筋肉には、回復期間が必要です。もし傷ついて炎症のある部位を、さらに追い込むとどうなるでしょう。ストレスホルモンの反応で、筋肉の分解が進みます。そのため、筋トレを毎日行うときは、部位ごとに分割する必要があります。

筋トレで筋肉が成長するメカニズムと超回復について

筋肉にはボロボロになったあと、修復され前より太くなる性質があります。「超回復」といわれる働きです。

筋肉は、細長く繊維状になったタンパク質の集まり。筋トレをすると、1本1本の筋繊維に細かな傷がつき炎症が起きます。したがって、トレーニング後は傷んだ箇所に十分な栄養と休養を与えなければいけません。

もし、きちんとケアされなければ、筋肉は萎縮して小さくなってしまいます。たとえば、背中や脚などの大きな筋肉を鍛えたら、48~72時間(中1~2日)は休ませる必要があります。

ストレスを受けた部分が修復されて、以前より太く強くなるための時間です。骨折した骨が完治して強くなるように、筋肉も微細な損傷からの回復後に肥大します。これが「超回復理論」です。

筋肉の疲労が回復していない状態では筋トレの効率が下がる

連日の筋トレで疲労が蓄積すると、まず挙上できる重量と回数が下がります。オーバートレーニングといわれる状態で、集中力が維持しにくく運動効果も上がりません。

さらに日常生活での倦怠感が、抜けなくなってきたら要注意。栄養と休養が足りていないサインです。安静時の血圧や心拍数も高くなりがちで、人によってはイライラしたり、無気力になったりします。

また疲労は、筋肉だけに溜まるわけではありません。より気づきにくいのが、中枢神経の疲労です。脳が疲れてくると神経伝達が上手くいかなくなり、不眠や食欲不振にもつながります。

もしオーバートレーニング状態になってしまったら、最低でも2週間は筋トレから離れましょう。運動はストレッチか、軽い有酸素くらいにしておきます。

炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をバランス良く摂り、睡眠時間をしっかり確保することも大事です。

毎日の筋トレでオーバーワークになり怪我のリスクも

毎日の筋トレでオーバーワークになると、注意力が散漫になりケガのリスクが増加します。いつもはコントロールできる重量が扱えず、トレーニングの質も上がりません。集中力を欠き、ダンベルやバーベルを足に落とす事故が起きやすくなります。

まだ回復できていない筋肉を、さらに追い込むとどうなるか。筋繊維を大きく損傷し、元通りになるのに数週間かかることもあります。そうなるともう「超回復」どころではありません。

とくに負荷が集中しやすいのが、腰にある脊柱起立筋です。体幹を安定させるための筋肉で、多くの種目で酷使されています。姿勢を保つ筋肉の疲労は、筋トレで腰痛になる原因のひとつです。

同じ部位のトレーニング頻度は2〜3日に1回が目安

胸、肩、背中、脚の大きな筋肉を鍛えると、回復に48~72時間を要します。その間に、成長因子などのホルモンが分泌され、修復作業が進むのです。したがって、大筋群のトレーニングは、中1~2日を空けて2~3日に1度がいいでしょう。

逆に、間隔を空け過ぎるのも良くありません。「超回復理論」では、前回のトレーニングから回復したタイミングで、次の筋トレ刺激を入れるのがベストとされています。

休養が長過ぎると筋トレ効果が徐々に消失し、筋肉は痩せて細くなるでしょう。つまり、やり過ぎても、やらなさ過ぎてもダメということ。ちょうど良いペースが、2~3日に1度です。

筋トレを毎日する場合のメニューの組み立て方や注意点

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それでも筋トレを、毎日したい気持ちは分かります。重りと格闘し無心になれる気持ち良さや、やり切ったあとの爽快感は格別です。週4日以上のトレーニングでは特定の筋肉に負荷が集中しないよう、部位を分割するスプリット法を用いましょう。

筋トレメニューの1週間の組み立て方(例)

スプリット法による筋トレプログラムには、いくつかのパターンがあります。そのなかで、初心者~中級者におすすめなのは、大きな筋肉の種目を軸に、関連する小筋群を一緒に鍛える方法です。

今回ご紹介するのは、胸、脚、背中を中心に据えるメニュー。たとえば、胸の代表種目であるベンチプレスやダンベルプレスでは、腕の上腕三頭筋と肩の三角筋前部が補助的に働きます。そのため、あえて別日に行うより、1日にまとめたほうが合理的。背中に関しても同様です。

全身にある筋肉の6~7割を使う脚トレは、疲労が大きいため単独で行います。回復力の高い腹筋に関しては、毎回行なっても問題ありません。1日あたりにこなす種目数の関係で、今回は脚の日に入れておきました。

筋トレメニューの1週間の組み立て方(例)

  • 月:胸、腕(上腕三頭筋)、肩(三角筋前部と中部)
  • 火:脚、腹筋
  • 水:背中、腕(上腕二頭筋)、肩(三角筋後部)
  • 木:休み
  • 金:胸、腕(上腕三頭筋)、肩(三角筋前部と中部)
  • 土:脚、腹筋
  • 日:背中、腕(上腕二頭筋)、肩(三角筋後部)
  • 月:休み

【目的別】筋トレの重量や回数の設定方法

筋トレ効果を最大化するには、重量設定が重要です。筋肉を大きく育てるには、2種類の刺激を与えると効果的。筋繊維を破壊して超回復させる「物理的刺激」と、代謝産物を蓄積させパンプアップさせる「化学的刺激」です。

ふたつの刺激を同時に与えるためには、RM法(レペティション・マキシマム法、最大反復回数法)を参考にしましょう。「最大努力で繰り返せる回数」を基準に、セットごとの重量を決める方法です。

たとえば筋肥大目的なら、6~14回でオールアウトする重りを選べば、「物理的刺激」と「化学的刺激」の両方をバランス良く得られるとされています。ポイントは、回数を決めるのではなく、その回数でオールアウトする重量を選択するということです。

目的・レベル 重量・回数のポイント
筋力向上 1~5回
筋肥大 6~14回
筋持久力向上 14~20回

筋肉痛が回復していない場合は違う部位を鍛えよう

筋肉痛はその部位が、まだ回復しきっていないサインです。傷ついた筋繊維に炎症が起こり、発痛物質によって筋膜が刺激されてる状態といわれています。壊れた所を修復中に、さらなる攻撃を受けてしまうと、筋肉の超回復はままなりません。

通常の筋肉痛であれば、48~72時間ほどでおさまります。ちょうど筋肉の回復に、要する期間と同じくらいです。

ただ連日の筋トレで筋繊維が大きく破壊されれば、元に戻るまで10日以上かかることもあります。そうなると太く成長するどころか、逆に萎縮してしまうことすらあるので要注意。少し張りを感じるくらいならOKですが、筋肉痛がある部位の筋トレは控えましょう。

毎日筋トレのために取り入れたい生活習慣4選

栄養

筋トレを毎日行うトレーニーにとって、栄養と休養の戦略は大事です。筋肉はイメージと違い、とてもデリケートな存在。ちゃんとかまってあげないと、すぐに分解され小さくなってしまいます。

毎日トレーニングを実施するとき、注意すべき点を以下にまとめました。

筋肉のために栄養バランスの良い食事を心がけよう

炭水化物・脂質・タンパク質を三大栄養素といいます。この中で、筋肉を修復する材料になるのがタンパク質。肉類、魚介類、乳製品、大豆に豊富です。

健康を維持していくために必要なタンパク質量は、1日およそ体重×1gとされていますが、ハードに筋トレを続けるならこの限りではありません。1日あたり体重×2gは摂りたいところです。

さらに筋トレで使われるエネルギー源は、ほとんどが糖質(炭水化物-食物繊維=糖質)。トレーニング当日は、ご飯、パン、麺などの主食をしっかり食べておきましょう。

また筋肉を成長させる、ホルモンの材料は脂質です。テストステロンや成長ホルモンが十分に作られないと、筋肥大は起こりません。

不飽和脂肪酸といわれるオメガ3やオメガ9から、なるべく良質な脂質を摂りましょう。
魚介類、アボカド、種子類、オリーブオイルに多く含まれています。

加えて、ビタミンやミネラルも重要です。不足すると、三大栄養素がスムーズに機能しません。野菜、きのこ、海藻のどれかは、毎食の献立に入れましょう。

プロテインを飲むタイミングは筋トレ後30分以内が目安

筋トレ後のプロテイン摂取は、もはやトレーニーの常識になりつつあります。ゴールデンタイムといわれているのが、トレーニング終了から30分以内。

筋肉がタンパク質を合成する力は、筋トレを終えて60~120分後にピークとなります。ちょうどプロテインが、体内でアミノ酸にまで分解され届くタイミングです。

筋トレ直後に摂ると胃腸に負担がかかるため、終了から15分後くらいに体重×0.5gを摂るのがおすすめ。さらに体重×1gほどの糖質を同時に摂ると、インスリンが分泌されてプロテインの吸収が良くなります。

筋肉のためには毎日の十分な睡眠も大切

「寝る子は育つ」といいますが、筋肉も同じです。成長のためには、質の良い睡眠が欠かせません。筋肉の修復に関わるとされる成長ホルモンは、入眠30~60分後の深い眠りで多く分泌されます。

実は、何時に寝るかはそれほど大事ではありません。ただし、就寝3時間前までに食事を終えておくと、成長ホルモン分泌はスムーズです。

加えて、寝る90分前に入浴を済ませば、深部体温が下がるタイミングで眠りにつけ、寝つきが良いとされています。さらに日中に日光を浴びて、神経伝達物質のセロトニンを増やしておくと、夜には睡眠を促すメラトニンの作用が期待できます。

ストレッチは疲労回復や怪我防止、可動域を広くする効果も

筋トレ前は動きをつけたダイナミックストレッチで、ウォーミングアップしておきましょう。筋肉の温度が上がり、伸び縮みしやすくなるため、ケガの予防につながります。

じわっと伸ばしてぴたっと止める、スタティックなストレッチは、運動前には向きません。筋肉がリラックスしてしまい、筋力が発揮しづらくなってしまいます。軽く息が上がるような、動きをつけたストレッチが正解です。

逆に筋トレ後のスタティックストレッチは、疲労回復に役立ちます。固くなった筋肉がほぐれ血管が拡張して、酸素や栄養素が流通しやすくなるからです。また筋トレによって深部まで温まった関節を伸ばすと、可動域が広くなり柔軟性も上がります。

【Q&A】毎日の筋トレについてトレーニーから多い質問

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筋トレの世界には、様々な都市伝説も存在します。溢れる情報のなかから真偽を判断し、正しい知識を得るの簡単ではありません。

今回は筋トレを毎日行うにあたって、よくある質問にお答えします。

Q. 筋トレ後に毎日有酸素運動を行うと筋肉は減ってしまう?

筋トレのあとに有酸素をすると、筋肉が分解されやすくなります。運動中の主なエネルギー源は糖質と脂質ですが、筋トレ中にメインで使われるのは糖質です。

有酸素はどちらも使うため、途中で糖が足りなくなると、どこかから調達しなければいけません。そこで筋肉内のタンパク質を取り出して糖に変え、エネルギーにしてしまうのです。

Q. ダイエットのために毎日筋トレすることは効果ある?

筋トレの後は、カロリー消費量が増えるというご褒美があります。「アフターバーン効果」といわれる現象で、組織の修復や酸素の取り込みなどで、エネルギーがいつもより使われるのです。

運動強度にもよりますが、数時間~48時間程度は効果が持続すると考えられます。筋トレを毎日行うことで、アフターバーンの恩恵を多く受けられ、ダイエットにも効果的です。

Q. 筋トレするなら毎回オールアウトまで追い込むべき?

筋トレは毎セットを、オールアウト(疲労困憊)まで行うのが基本です。セット数や挙上する回数を決めて、その数をこなすのが目的ではありません。

余力を残してトレーニングを終えても、動員される筋繊維の量や代謝産物の蓄積が、筋肉を成長させる閾値に達しないからです。

日常生活では経験しない危機的な状況を、筋肉内に作りだすことで筋繊維が発達します。もしオールアウトさせるのを難しく感じたら、エネルギー不足かモチベーションの低下を疑いましょう。

筋トレは毎日するよりも筋肉の休息を設けた方が効果的

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「トレーニング・栄養・休養」は三位一体です。どれかひとつがおろそかになっても、筋肉の成長は期待できません。

効果を急ぐあまり、栄養と休養をおざなりにしては、ゴールが遠のく一方です。筋肉は、飴とムチの使い分けで育ちます。ハードに追い込んだあとは必ず、優しく労わってあげましょう。

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