スタンディングカーフレイズにはダンベルを使用したり、バーベルを使用したりするなど様々な種類があります。「足を細く見せたい」「男らしいふくらはぎを手に入れたい」そのどちらも叶えるトレーニングです。
今回は自宅で取り組める「スタンディングカーフレイズ」について、正しいフォームや、効果が増すコツを解説します。ふくらはぎは正しく鍛えれば下半身の血行改善も期待できる部位です。
第二の心臓といわれるふくらはぎを鍛えて、スラッとした美脚や男らしいふくらはぎを目指しましょう。
スタンディングカーフレイズとは
スタンディングカーフレイズとは、かかとを上げてつま先立ちになり、体を上下させるトレーニングです。ふくらはぎの筋肉を重点的に鍛えられます。
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、血液の循環を補うため健康面で見ても重要な筋肉です。
カーフレイズには、直立して行うやり方や、椅子に座って行うやり方など数多くの種類があります。スタンディングカーフレイズは直立して行うため、器具も必要なく自宅でもすぐに取り組めます。
スタンディングカーフレイズが効果的な筋肉部位
スタンディングカーフレイズはふくらはぎの筋肉を重点的に鍛えられます。
ふくらはぎの筋肉は足首を動かす作用を持ち、歩くときによく使われます。別名で下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼ばれ、腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋の2つの筋肉で構成されています。
集中的にふくらはぎを鍛えられるトレーニングは、カーフレイズ以外にあまり種類がありません。
スタンディングカーフレイズは腓腹筋とヒラメ筋をまんべんなく鍛えられるトレーニングです。下半身を引き締めたい方におすすめのトレーニングといえるでしょう。
スタンディング/シーテッドカーフレイズの違い
カーフレイズには、スタンディングカーフレイズとシーテッドカーフレイズの2種類のトレーニング方法があります。
簡単に説明すると、直立して動作をするのがスタンディングカーフレイズ、椅子やベンチに座って動作するのがシーテッドカーフレイズです。
この2つのトレーニングは、それぞれでふくらはぎへの負荷のかかり方が少し変化します。
まず、スタンディングカーフレイズで鍛えられるのはふくらはぎ全体の筋肉です。腓腹筋とヒラメ筋をまんべんなく鍛えられます。盛り上がったふくらはぎが欲しい方におすすめの方法です。
一方で、シーテッドカーフレイズは膝を曲げて行うため、ふくらはぎの深層部にあるヒラメ筋を集中的に鍛えられます。ヒラメ筋は身体のバランスをとる役割をもち、集中的に鍛えると疲れにくい足が手に入ります。
スタンディングカーフレイズとシーテッドカーフレイズを使いこなすことで、ふくらはぎに違った刺激を加えることができます。
トレーニングにおいて大切なのが継続させることです。毎日同じ種目だと飽きてしまいがちなので、ときどきはトレーニング方法を変えてはいかがでしょうか。
スタンディングカーフレイズは自重・マシンで行う
スタンディングカーフレイズは、壁に手をついて自重でしか鍛えられないというイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。
実は、カーフレイズには「スミスマシンスタンディングカーフレイズ」や「レッグプレスカーフレイズ」など専用マシンを使用して高負荷をかけられる方法もあります。
自重よりも短時間で高負荷をかけられ、自重よりもさらに強力にふくらはぎを鍛えられるのがマシンを使用したカーフレイズです。
ただし、トレーニングを始めたばかりの方は、自重でも十分な負荷をかけられます。筋肉を動かすことに慣れていない人は、まず自重のスタンディングカーフレイズから始めてみましょう。
自重だけでは負荷が足りないというトレーニング上級者の方は、マシンを使ったカーフレイズがおすすめです。
ジムに行けない場合でも、ダンベルを追加したり、片足でカーフレイズしたりすることで負荷を調節することができます。
スタンディングカーフレイズの正しいフォームとやり方
1. 体を壁に向け、つま先と膝が直線状になるように立つ
スタンディングカーフレイズは直立した状態で行います。まず、両足を肩幅程度か少し狭いくらいに開きます。足幅を広く取り過ぎると、かかとを上げることが難しくなります。
そして、身体の正面を壁に向け、猫背にならないように背中を真っ直ぐに伸ばしましょう。このとき、つま先と膝が直線状になるように意識してください。
2. 両腕を肩幅程度に開き、壁に垂直に手を付ける
壁に向かって真っ直ぐに立てたら、両手を肩幅程度に開き胸の高さまで上げます。そして、そのままの高さで両手のひらを壁に垂直に付けてください。背中は真っ直ぐの状態をキープし胸を張ることを意識しましょう。
壁に手を付けたとき、あまり壁にもたれかからないように注意です。この状態がスタンディングカーフレイズのスタートポジションとなります。
3. かかとを上げていき、つま先を伸ばしきったら止まる
スタートポジションが完成したら、ここからかかとを上げていく動作に入ります。壁に付けた両手のひらに向かって、軽く前傾姿勢になりながらつま先立ちになりましょう。
前傾姿勢と言っても背中は真っ直ぐの状態をキープします。壁に向かって身体が真っ直ぐもたれかかるようなイメージです。
そのままかかとを上げていくと、ふくらはぎの筋肉が収縮しているのを感じます。その感覚をしっかり感じながら、限界と思える高さまで上げることが大切です。
かかとを上げるときは上半身をかがませず、しっかり直立姿勢のフォームを維持します。
4. ゆっくりかかとを下ろし、スタートポジションに戻る
限界までかかとを上げたら、ふくらはぎに負荷がかかっていることをしっかり感じながら下ろしていきます。このときも背中を丸めず真っ直ぐの姿勢を維持しましょう。
かかとが床に付く直前で止め、また切り返していきます。トレーニング後半になると、かかとを速く下ろしたくなりますがグッと我慢です。ゆっくり下ろすことで、さらにふくらはぎに負荷をかけることができます。
スタンディングカーフレイズの回数やセット数の目安
以下では、スタンディングカーフレイズの回数とセット数の目安について紹介します。
初心者・中級者・上級者別の回数目安
スタンディングカーフレイズの回数は、20〜30回が目安です。
筋トレ初心者の場合は、まずは10回からカーフレイズを始め、段階的に20回、30回と回数を増やしていきましょう。
レベル | 回数 |
---|---|
初心者 | 10回 |
中級者 | 20回 |
上級者 | 30回 |
筋トレは、正しいフォームでターゲット部位に適切に負荷をかけることが基本です。
上記は、あくまで目安の回数となっており、正しいフォームでこなせる最大回数を行いましょう。
セット数は3〜6回が目安
スタンディングカーフレイズの回数を設定したら、次に意識すべきはセット数です。トレーニングを1セット行うだけでは、特に初心者の方は十分に筋肉を追い込むことはできません。
特にスタンディングカーフレイズを自重で行う場合には、繰り返し行うことが必要です。
初心者であれば週に1回の3~4セットが目安になります。回数をこなして慣れてくると、週に2~3回で4~6セットをこなせるようになるでしょう。
また、メインセットに入る前に軽い負荷でウォーミングアップもしておきましょう。使用する筋肉が温まり、ケガの防止はもちろんメインセットでパワーを出しやすくなります。
トレーニング間のインターバルも意識してください。インターバルが短いと筋肉疲労が回復しにくく、そこから十分な負荷をかけることができなくなります。
基本的に、約3分間のインターバルをとるように心がけることがおすすめです。いつもより強い疲労を感じるときは、無理をせずインターバルを長めにとりましょう。
スタンディングカーフレイズの効果を高めるコツ3つ
スタンディングカーフレイズのフォームや流れを把握できたら、さらにふくらはぎに負荷をかけるコツを身につけましょう。同じトレーニング内容でもコツをつかむと、効果は大きく向上します。
ここでは3つの効果を高めるコツを紹介していきます。それでは見ていきましょう。
コツ1. すべての動作をゆっくり行い筋肉に効かせる
すべてのトレーニングにおいても同じですが、動作をゆっくり行うことで筋肉に大きな負荷をかけられます。スタンディングカーフレイズでは、かかとを上下させる動作をできるだけゆっくり行いましょう。
特に初心者は質よりも回数を意識しがちです。目指すふくらはぎに適したRMを目安に、しっかりと負荷をかけることを意識しましょう。
カーフレイズを繰り返すうちに、ふくらはぎの筋肉が伸縮している感覚がわかるようになります。伸縮の感覚を常に感じながらトレーニングをすると、より効果的にふくらはぎを鍛えられます。
コツ2. 深い呼吸を意識しトレーニング中は息を止めない
効率的なトレーニングを行うには正しい呼吸法が必須です。基本の呼吸法は、筋肉に最も負荷がかかるタイミングで息を吐き、負荷が軽くなるタイミングで息を吸うことです。
スタンディングカーフレイズの場合は、息を吐きながらかかとを持ち上げ、息を吸いながらかかとを下ろすようになります。
これを意識するだけで、普段のスタンディングカーフレイズよりも筋肉の付くスピードが加速し、質もアップします。フォームに慣れてきたタイミングで、正しい呼吸法もプラスしてみましょう。
コツ3. 左右の足でかかる負荷が変わらないように意識する
スタンディングカーフレイズは同時に両足を使うトレーニングです。そのため、トレーニングの後半になってくると、どうしても利き足を中心にかかとを上げてしまいます。
両足のふくらはぎへの負荷のかかり方がバラバラになると、左右で違う大きさのふくらはぎになってしまいます。
トレーニング前に自分の利き足がどちらかを確認して、なるべく両足同時にかかとを持ち上げるように意識しましょう。
トレーニング後に左右のふくらはぎで疲労感が違う場合は、疲れていない方の足だけでカーフレイズを数回行うことをおすすめします。
スタンディングカーフレイズの種類・バリエーション
スタンディングカーフレイズは自重を使用して、ふくらはぎを効率よく鍛えられるトレーニングです。しかし、継続的に取り組んでいると自重だけでは負荷が足りなくなります。
片足で行うという選択肢もありますが、トレーニングに時間がかかることがデメリットです。
そこで、ここからはウエイトを用いて両足に高負荷をかけられるカーフレイズを紹介していきます。ジムはもちろん、ダンベルなどのウエイトがあれば家でも取り組める方法です。
ダンベル・スタンディングカーフレイズ
ダンベル・スタンディングカーフレイズは、通常のスタンディングカーフレイズにダンベルを追加したトレーニングです。ウエイトが加わるため、さらにふくらはぎに高負荷をかけられます。
ダンベルの重量は3~5kgがベストです。10kg以上になると身体のバランスを崩しやすくなるので注意しましょう。
ダンベルを持っていない方は、水入りの2Lペットボトルでも代用できます。ダンベル・スタンディングカーフレイズも、回数より正しいフォームを意識して取り組むことが大切です。
ダンベル・カーフレイズでは、平面の床ではなく段差を用います。自宅にある段差部分に、かかとが飛び出るように立ちましょう。最初はバランスを崩す可能性があるので、低い段差で挑戦することをおすすめします。
How To
- 段差のある場所にかかとを浮かせた状態で直立する
- 背中が曲がらないようにダンベルを持ち身体の横につける
- かかとを上げていき、つま先を伸ばしきったら止まる
- ゆっくりかかとを下ろし、スタートポジションに戻る
バーベル・スタンディングカーフレイズ
バーベル・スタンディングカーフレイズはバーベルを用いて行うカーフレイズです。マシンを使用しないフリーウエイトのカーフレイズの中で最も強い負荷をかけられます。
バーベルはダンベルよりも幅広い重量の調節が可能です。筋肥大が目的であれば8~12回程度で限界が来る重さを設定しましょう。
しかし、バーベルに慣れていない方には少し難易度が上がるトレーニング方法です。まずは、バーベルを肩に担ぐことに慣れていくことをおすすめします。
また、通常のカーフレイズよりもふくらはぎに高負荷がかかるので、筋肉が未発達の方は、いきなり始めるとつりやすくなります。ケガに繋がる恐れがあるため、つりそうだと感じたら一旦ストップしましょう。
How To
- 肩甲骨を寄せ首の根元と肩でバーベルを支える
- 足を肩幅程度に開き胸を張って背中を伸ばす
- かかとを上げていき、つま先を伸ばしきったら止まる
- ゆっくりかかとを下ろし、スタートポジションに戻る
【Q&A】スタンディングカーフレイズについて多い質問
スタンディングカーフレイズは自宅でも簡単にできるからこそ、「毎日やってもいいのか」「足を細くしたい場合でも取り組むべきなのか」など、初心者が取り組むときに共通して感じる疑問も多くあります。
ここからは、その疑問について解説していますので、これからのトレーニングの参考にしてください。
Q. スタンディングカーフレイズで脚は太くなるの?
目的に合わせた負荷や回数を設定すると、スタンディングカーフレイズでふくらはぎは太くなります。しかし、筋肉を太くするにはそれなりのトレーニング量と、食事にも気を遣うことが必要です。
筋肉はトレーニングのやり方で細くなったり太くなったりします。目指すボディに合わせてRMを設定しましょう。この記事でも解説しましたが、太くしたいのであれば8~12RMで限界が来るように負荷を調節して取り組みましょう。
Q. 組み合わせると効果的な筋トレはある?
カーフレイズを行うときは、下半身のトレーニングを行うときに合わせると良いでしょう。先にスクワットをして、カーフレイズを行うと下半身全体を引き締めることができます。
また、ダイエットが目的の場合は有酸素運動と組み合わせることがおすすめです。ウエイトトレーニングによって代謝が上がった状態で有酸素運動をすると、脂肪燃焼の効率アップが見込めます。
Q. 毎日カーフレイズに取り組んでも大丈夫?
ふくらはぎが筋肉痛になっている場合はトレーニングを控えましょう。傷ついた筋肉が回復するときに筋肉痛は起きます。筋肉を再生している最中にさらなる刺激が加わると、筋肉が小さくなる原因となるので注意です。
筋肉痛になるということはふくらはぎにうまく負荷をかけられている証拠です。理想的なボディを手に入れるためには、トレーニングを継続させることがなによりも重要になります。
しかし、がむしゃらに毎日行うのではなく、自分の身体と相談しながら行うことも大切です。特にスタンディングカーフレイズ初心者は、トレーニング中にもつるような痛みを感じる場合があります。
その時は無理をせず、長めのインターバルをとりながらトレーニングしましょう。
スタンディングカーフレイズでふくらはぎを効果的に鍛えよう!
今回は自宅でもふくらはぎを鍛えられるスタンディングカーフレイズを紹介しました。
誰でも簡単に取り組めるトレーニングは、フォームをおろそかにしてしまいがちです。より効率的にふくらはぎを発達させるために、今回紹介したフォームやコツなどを参考にしてください。
美脚が欲しい女性も、たくましいふくらはぎを作りたい男性にもおすすめのトレーニングです。スタンディングカーフレイズで効率的に美しいふくらはぎを手に入れましょう。