ワンレッグスクワットで強靭な下半身を作るための正しいフォームやトレーニング効果を高めるコツについてご紹介します。
片足で実施するワンレッグスクワットは、自重トレーニングでも特に強度の高いメニューです。
下半身の筋肉をバランス良く鍛えることで、ジャンプ力やバランス感覚などのスポーツパフォーマンス向上から姿勢改善、ヒップアップまで幅広い効果を期待できます。
トレーニング効果を高めるポイントについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ワンレッグスクワットとは
ワンレッグスクワットとは、文字通り片足で行うスクワットです。下半身全体の筋肉をバランス良く鍛えられるのが大きな特徴です。
その他、ワンレッグスクワットには以下のようなメリットもあります。
- 基礎代謝の向上
- ヒップアップ効果
- 姿勢の改善
- ジャンプ力などスポーツパフォーマンス向上
- 体幹強化
片足でスクワット動作を行うことで、自重トレーニングの中でも高負荷をかけられるトレーニングのため、通常スクワットに慣れてきたら下半身トレーニングに取り入れたい種目です。
▼【参考】ワンレッグスクワット解説動画|GARAGEFIT
ワンレッグスクワットが効果的な筋肉部位
ワンレッグスクワットでは主に以下の部位を効果的に鍛えられます。
- ハムストリングス
- 臀筋群
- 大腿四頭筋
ワンレッグスクワットは、足を置く位置によって効かせる筋肉を調節できます。
しゃがんだ際に膝の位置がつま先よりも後方になるようにすると、太ももの裏側にあるハムストリングスやお尻の臀筋群に効きやすくなります。
しゃがんだ際に膝の位置がつま先よりも少し前方へ出るようにすると、太ももの表側にある大腿四頭筋に効かせやすくなります。※膝を前へ出しすぎると膝関節への負担が強くなるため注意してください。
ワンレッグスクワットとノーマルスクワットの違い
ワンレッグスクワットとノーマルスクワットの違いは、負荷のかかり方と体幹への効果の2つがあります。
まず、通常スクワットでは両足を鍛えるのに対して、ワンレッグスクワットは負荷が片足へ集中的にかかるため高負荷でのトレーニングが可能です。自重トレーニングであっても十分に筋力アップや筋肥大を狙えます。
また片足でバランスを取るため、自然と深層外旋六筋といったインナーマッスルにも効きやすく、体幹を強化する効果も高いのが特徴です。バランスディスクなどの上でトレーニングすることで、更に体幹への刺激を強化することも可能です。
ワンレッグスクワットの正しいフォームとやり方
初心者の方にもわかりやすいように、ワンレッグスクワットのやり方についてご紹介します。
正しいフォームを習得することは、トレーニング効果を高めるだけでなく、膝関節などのケガ予防にも繋がるため、しっかりと自分のフォームを確認するようにしましょう。
1. 後ろ足をフラットベンチに乗せて片足立ちになる
フラットベンチを背にして前に立ち、片足のつま先をフラットベンチに乗せて片足立ちになります。ジムでトレーニングする場合には、ベンチに乗せる足の靴は脱ぐのがマナーです。
自宅でトレーニングする場合で、もしフラットベンチがなければ椅子や階段の段差、バランスボールなどで代用することも可能です。
2. 鍛えたい部位に合わせて、前足の位置を調整する
ワンレッグスクワットは前足の位置でトレーニング効果を変化させられるため、鍛えたい部位に合わせて調整します。
- ハムストリングス、内転筋:前足をしゃがんだ際に膝がつま先を出ない位置
- 大腿四頭筋:前足をしゃがんだ際に膝がつま先を少し出る位置
しゃがんだ状態での膝の位置を確認して前後に微調整するようにしましょう。
3. 胸を張った状態をキープしながらしゃがむ
通常スクワットと同じように、胸を張って肩甲骨を寄せ、ゆっくりと上腿が床と平行になる位置までしゃがみます。膝の向きはつま先と同じ正面を向くようにします。
上半身を固定できると、狙った部位に効かせやすくなるため、しゃがむ際には背中が丸くならないように注意します。しゃがみながら股関節と膝関節が連動して屈曲するのを意識するようにしましょう。
4. 足の裏全体で押し上げるように立ち上がる
上腿が床と平行になったら一度止まり、前足の足裏全体で地面を押すように立ち上がります。
立ち上がる際に、手や上半身を動かして勢いを付けないようにして、前足だけの力で一気に体を起こします。重心は常に足の裏全体にかけるようにして、かかと寄りにならないように気をつけましょう。
以上の動作を設定した回数分繰り返します。
ワンレッグスクワットの回数やセット数の目安
ワンレッグスクワットをトレーニングに取り入れる場合、効果を高めるためにはトレーニング目的に応じた回数設定が重要になります。
ワンレッグスクワットの目的別の回数やセットの設定方法についてご紹介します。
初心者・中級者・上級者別の回数目安
ワンレッグスクワットの回数目安は20〜30回です。
筋トレ初心者の場合は、まずは10回からワンレッグスクワットを始め、段階的に20回、30回と回数を増やしていきましょう。
レベル | 回数 |
---|---|
初心者 | 10回/1セット |
中級者 | 20回/1セット |
上級者 | 30回/1セット |
筋トレは、正しいフォームでターゲット部位に適切に負荷をかけることが基本です。
上記は、あくまで目安の回数となっており、正しいフォームでこなせる回数で行いましょう。
セット数は3〜5回が目安
ワンレッグスクワットをメインのトレーニングとして実施する場合には、セット数は3回~5回に設定するのが目安になります。
初心者の方は、最初は3セットからはじめて、徐々にセット数を4回、5回と増やすようにしましょう。
最初の1セット目は、ダンベルなどは持たずにワンレッグスクワットをして、筋肉や膝関節を温めてウォーミングアップするようにします。
他のトレーニングの後に追い込むためにワンレッグスクワットを取り入れる場合には、1〜2セットでも構いません。
ワンレッグスクワットの効果を高めるコツ3つ
ワンレッグスクワットでより効果を効果を高めるために意識した方がよい3つのコツについてもご紹介します。
注意するべきポイントを押さえるだけでトレーニングをより充実させられるので、参考にしてみてください。
コツ1. 後ろ足をただ乗せるのではなく、かかとでベンチを押すように置く
ワンレッグスクワットをはじめたばかりであれば、後ろ足はベンチにのせてしまって問題ありませんが、慣れてきたらかかとでベンチを横から押すように後ろ足を置くようにしましょう。
スクワット動作の際に後ろ足の関与をさらに減らし、前足にかかる負荷を増やしてトレーニング効果を高めることができます。
また後ろ足を置くベンチは低くすると後ろ足の関与が大きくなり、高くすると逆に小さくなります。自宅トレーニングの場合には、より前足の負荷を増やせる椅子や台を探すようにしましょう。
コツ2. 大腿が床と平行になった状態で一瞬止まる意識を持つ
下半身のトレーニング効果を高めるために重要なのが、大腿が床と平行になって沈みきったポイントで一瞬止まる意識を持つことです。
止まらずにしゃがんだ反動を使って勢いで立ち上がると、回数は楽にこなせるようになりますが、肝心のトレーニング効果は弱くなります。前足の足裏で地面を押すように、下半身の筋肉を使って立ち上がるようにしましょう。
※限界に近づいて設定した回数をこなすためのチーティングとして反動を使うなら問題ありません。
コツ3. ジムならスミスマシンを使ったワンレッグスクワットも効果的
ジムでトレーニングできるのであれば、効果を高めるためにスミスマシンを使ったワンレッグスクワットもおすすめです。
軌道が一定となり安定するため体幹を鍛える効果は弱くなりますが、その分より高重量を扱えるようになり、メインとなるハムストリングスや臀筋群、大腿四頭筋への負荷を強めることが可能です。
※スミスマシンとベンチの両方が必要になるため、ジムでベンチを動かすことが許可されているかどうかまず確認しましょう。
ワンレッグスクワットの種類・バリエーション
ワンレッグスクワットにはいくつかのバリエーションがあります。
それぞれ特徴やトレーニング効果が異なるため、トレーニングレベルや目的に応じて使い分けたり組み合わせたりすると、筋肉にも様々な刺激が入るためトレーニング効果を高められます。
ピストルスクワット
ピストルスクワットは、片足に全自重がかかるワンレッグスクワットのバリエーションです。
片足立ちになり、そのままもう片方の足を前へ伸ばしながらスクワット動作を行います。
負荷の強さに加えてバランス感覚も求められるため、かなり難易度の高いトレーニングです。
How To
- 肩幅よりも少し狭いくらいの間隔で足を開いて立つ
- 片足を膝を伸ばした状態で上げ、片足立ちになる
- 両手を前へ伸ばし、床に平行になるまでしゃがむ
- 足で地面を押すようにゆっくりと体を持ち上げる
ブルガリアンスクワット
ブルガリアの五輪体操チームが発案したことでブルガリアンスクワットと呼ばれるようになったワンレッグスクワットのバリエーションです。
片足を後ろのベンチにかけてスクワット動作を行うのが特徴で、前足の位置によって大腿四頭筋からハムストリングス、臀筋群まで幅広く鍛えることが可能です。
How To
- 後ろ足をフラットベンチに乗せて片足立ちになる
- 鍛えたい部位に合わせて、前足の位置を調整する
- 胸を張った状態をキープしながらしゃがむ
- 足の裏全体で押し上げるように立ち上がる
【Q&A】ワンレッグスクワットについて多い質問
ワンレッグスクワットについてよくある質問にもお答えします。
初心者の方の中には「ワンレッグスクワットをすると膝が痛い」という方がいますが、解決方法もご紹介するので参考にしながらトレーニングしてみてください。
Q. ワンレッグスクワットで膝がどうしても痛くなるのはなぜ?
ワンレッグスクワットで膝が痛くなるのは、ほとんどの場合以下の2つが原因です。
- 前足とベンチの距離が狭すぎて膝が前へ出る
- 背中が丸くなり股関節が使えていない
立つ位置がベンチに近いと、しゃがんだ際に膝がつま先よりも前へ出てしまい、負荷が膝関節にかかるため痛みが出やすくなります。靴1足分ほど距離をあけて試してみましょう。
また、しゃがむ際に背中が丸くなると、股関節の可動域をうまく使えなくなり、膝関節の故障に繋がります。トレーニング中は常に肩甲骨を寄せて胸を張った姿勢をキープしましょう。
Q. ワンレッグスクワットはトレーニングのどのタイミングで実施するべき?
ワンレッグスクワットは、股関節と膝関節の両方を使うコンパウンド種目(多関節運動)で、高負荷を扱えるのが大きな特徴です。
ちなみに、関節を1つしか使わないシシースクワットのような種目はアイソレーション種目(単関節運動)と呼びます。
コンパウンド種目は、できればメイン種目として最初に実施するようにすると、トレーニングでしっかり力を発揮しやすく、故障の予防にも繋がります。
Q. ワンレッグスクワット以外にジャンプ力強化に繋がる筋トレは?
ジャンプ力アップで重要なのは膝を伸ばす作用を持つ大腿四頭筋です。
ワンレッグスクワットでも大腿四頭筋は鍛えられますが、膝の故障を防ぐため前足を前方へ置くと、効果は弱くなります。
そのため大腿四頭筋をメインで鍛えるには、ジムならレッグエクステンション、自重トレーニングなら通常スクワットやフロントランジを組み合わせるようにしましょう。
ワンレッグスクワットで下半身を効果的に鍛えよう
ワンレッグスクワットで下半身のハムストリングスや臀筋群、大腿四頭筋を効果的に鍛える方法についてご紹介しました。
ワンレッグスクワットは自重トレーニングの中でも、片足で実施することで高負荷をかけられるのが特徴です。特に自宅でトレーニングしていてスクワットの負荷では物足りなくなってきた方におすすめです。
トレーニングの目的別に回数やセット数の設定方法についてもご紹介したので、筋トレの参考にしてみてください。