この記事では、スプリットスクワットについて解説していきます。
加齢とともに筋力が衰えてくる足腰は何かと悩みの種です。また、たるんだヒップやセルライトが浮き出た下半身はあまり美しいとはいえません。
スプリットスクワットは、スクワットの一種で下半身を鍛えていく筋トレになってきますので、足腰の弱化の防止や下半身のスリム化が期待できます。
スプリットスクワットを正しいフォームと正しいやり方で行い、足腰の機能性を向上させ、引き締まった下半身を手に入れましょう。
スプリットスクワットとは
スプリットスクワットとは、一般的なスクワットと違ってユニラテラル(片側)で行う動作が特徴で、臀部の筋肉と太もも裏側のハムストリングス、太もも前側の大腿四頭筋の筋肉強化が期待できる筋トレです。
スプリットスクワットを効果的に行うことにより、スリムで引き締まったバランスの良い下半身を作ることが期待できます。
また、足腰の強化にもつながり、歩行動作や階段の上り降りなどの動作が楽になり、足腰が弱化してきた方にもおすすめの筋トレです。
スプリットスクワットが効果的な筋肉部位
スプリットスクワットは太もも前側に重点をおいて行う筋トレで、太もも前側の筋肉を強化し、さらに、下半身のバランス調整を担う太もも内側の内転筋という筋肉も鍛えることができます。
また、太もも内側の内転筋を鍛えることにより骨盤の位置が安定するため、ポッコリお腹の解消や脂肪のつきにくい下半身にしていくことが期待できます。
大臀筋を鍛えて臀部全体がシェイプアップされ、太もも裏側のハムストリングスも鍛えることから、臀部が引き締まって調整の取れた下半身を目指せます。
スプリットスクワットとランジの違い
スプリットスクワットで鍛えられる筋肉は大臀筋、太もも前側の大腿四頭筋、太もも裏側のハムストリングス、太もも内側の内転筋です。
大臀筋を鍛えて臀部全体がシェイプアップされ、内転筋の強化で骨盤の位置が安定するため、臀部から足先にかけての引き締まった下半身を手に入れることが期待できます。
一方、ランジで鍛えられる筋肉は大臀筋、太もも前側の大腿四頭筋、太もも裏側のハムストリングスと、ここまではスプリットスクワットとの違いはありませんが、これらの筋肉に加え、腸腰筋も鍛えることができます。
腸腰筋を鍛えると猫背の改善、腹部のシェイプアップ、また腰痛を防ぐなどの効果が期待できます。
スプリットスクワットの正しいフォームとやり方
この章では、スプリットスクワットの正しいフォームとやり方について解説します。
筋トレをただやみくもに行ったところで、思ったより効果が出なかったということはよく聞く話です。
正しいフォーム、やり方を身につけて行っていくことが、筋トレを効果的にするうえで重要になってきます。
1. 足を肩幅に開き、背筋を伸ばしたまま片足を前に踏み出す
背筋を伸ばして足を肩幅に開きます。このとき、猫背にならないように気をつけます。天井から頭の頂きに糸がついていて引っ張られているようなイメージです。背筋を伸ばした直立姿勢から足を肩幅に開きます。
足を肩幅に開いたら、右(または左足)を大きく踏み込むように前に出します。このときも猫背にならないように気をつけます。
また、足を大きく踏み込むときにバランスを崩しがちなので、しっかりと下腹部と臀部に力を入れてバランスを保ちます。このとき、両腕は腰に添えておくと良いです。
2. 前に出した足に体重をかけ、膝を曲げて腰を落としていく
背筋を伸ばしたまま、上体のバランスが崩れないように注意しながら、前に出した足に体重をかけていきます。
前に出したほうの足の膝を曲げ、後ろ足の膝が床のすぐ上の辺りにくるまで腰を落としていきます。
膝を曲げて腰を落とす時に注意したいのが、猫背になったり、上体のバランスを保つために膝に過剰に負担をかけることです。
膝に過剰に負担をかけると膝を痛める可能性や、猫背になったり上体のバランスを崩すと、負荷が前足にかからずに分散してしまい、身体全体が腑抜けた感じになってしまいます。
3. 臀部に力を入れ、曲げた足を徐々に伸ばしていく
次に、臀部に力を入れていることを意識し、曲げた足を徐々に伸ばしていきます。このとき、しっかりと臀部に力を入れることがとても大切になってきます。
臀部の筋肉を使えていない場合、地面を継続的に踏み続ける力の負荷が分散して弱化してしまいます。
スプリットスクワットの動きである上下の移動ではなくなり、左右の移動になってしまいます。
さらに、スプリットスクワットで鍛えることのできる筋肉部位に負荷が向かわず、身体全体に分散してしまって意味をなさなくなります。
4. 1〜3で行ったことと同様に反対側の足でも行う
背筋を伸ばして足を肩幅に開きます。次に、反対側の足を大きく前に踏み込みます。
上体のバランスを崩さないよう気をつけながら、前に出した足に体重をかけていきます。
体重をかけた後は、前に出したほうの足の膝を曲げ、後ろ足の膝が床のすぐ上の辺りにくるまで腰を落としていきます。
腰を落としきったら、次に臀部に力を入れていることを意識しながら、曲げた足を徐々に伸ばしていきます。
この動作を左右の足で必要回数行っていきます。
スプリットスクワットの回数やセット数の目安
スプリットスクワットには自重で行う方法と、後ほど解説するように、ダンベルやバーベルで重量をかけて行う方法があります。
正しいやり方で実践するためにも、まずは自重でしっかりとしたフォームを身につけましょう。
ここでは自重で行う場合の目安となる回数やセット数を、トレーニーのレベルごとに解説していきます。
レベルに合わせて回数を設定する
自重でスプリットスクワット行う場合の回数は、フォームを正しく保ったままで、自分が行える限界の回数を目標として設定します。
ここで解説するのは目安となる回数ですが、きついと感じた場合、少ない回数から始めましょう。無理に回数を増やして疲れてしまい、フォームが崩れてしまっては意味がありません。
レベル | 回数 |
---|---|
初心者 | 10回 |
中級者 | 10〜20回 |
上級者 | 20回〜 |
まずは自分がきちんとしたフォームと呼吸法を維持できる回数を目標として設定し、少しずつ増やしていくようにしましょう。
セット数は片足15回×3セットがおよその目安
セット数は、右足と左足を3セットずつ行うのを目標にしましょう。足を入れ替えて1セットずつ終了したら、30秒程度のインターバルを置き、さらに2セットずつトレーニングします。
3セットずつでも物足りないと感じたら、5セットまでは増やしてもいいでしょう。ただし、むやみに回数だけを増やしていくと、やり過ぎてオーバーワークになってしまう恐れもあります。
1度に行う回数を増やすよりも、トレーニングの頻度を上げる方が、筋トレの効果が高くなります。
スプリットスクワットの効果を高めるコツ3つ
この章では、スプリットスクワットの効果を高めるコツを3つ解説していきます。
正しいフォーム、やり方で行うことはもちろんのことですが、コツをつかんで継続的に行っていけば、さらなる効果が期待できるでしょう。
コツ1. 若干前傾姿勢を取ることがポイント
スプリットスクワットを行っていくうえで押さえておきたいコツとして、重心を下げていく際に若干の前傾姿勢を取るということです。
足を前後に開いて重心を下げるときに、背筋をまっすく伸ばしたままの状態から、若干前傾姿勢に移動させていくと良いです。それにより、太ももへの負荷が高まります。
効果的にトレーニングの効率を上げるためにも、重心を下げる際は、上体が若干の前傾姿勢になることを意識していくことを心掛けましょう。
コツ2. 背筋を曲げず伸ばしたままの姿勢を保つ
スクワット系の種目は、背筋を伸ばしたまま行うことが、とても重要です。
背筋が曲がってしまうことにより負荷が身体全体に分散してしまい、スプリットスクワットで鍛えることのできる筋肉部位へ負荷がかからず、意味をなさなくなってしまうからです。
回数やセットを重ねていくうちに、つらくなってついつい背筋を曲げてしまいたくなりますが、そこはぐっとこらえて、背筋がきちんと伸びているか確認しながら行っていきましょう。
コツ3. 一定のスピードで行うとより効果的
スプリットスクワットは、力の負荷をかけ続けることで筋肉を刺激するタイプの筋トレになります。そのため、動作のスピードを一定にすることで、より効果的に鍛えていくことが期待できます。
スプリットスクワットをリズミカルに一定のスピードで行うことで負荷を与える時間が長くなり、長時間筋肉を収縮させることが可能です。
また、一定のスピードで動作を行うことは、前側の膝関節にかかる負担も減らし、ケガの予防にもつながってきます。
スプリットスクワットの種類・バリエーション
ここでは、スプリットスクワットの種類・バリエーションについて解説します。
バーベル・スプリットスクワット
スプリットスクワットにはバーベルを使った種目があります。
バーベルを使うことによって目的の筋肉部位に強い負荷をかけることができるというメリットがあります。
バーベルを使った筋トレが難しくないという人には、通常のスプリットスクワットに加え、さらなる効果が期待できます。
How To
- バーベルをオーバーハンドグリップスタイル(順手)で持ち、肩の位置まで上げていきます。
- 右(または左)足が後ろの足より60〜120センチ前に来るようにして前後に開きます。
- 後ろ足でバランスを取りながら、右(または左)の太腿が床と平行になるまで腰を落とします。
- 右(または左)の足の踵で床を押すように腰を上げていき、所定の回数繰り返します。
- 1番の姿勢に戻り、反対側の足でも2~4までを所定の回数繰り返し行っていきます。
ダンベル・スプリットスクワット
ダンベルを使ったスプリットスクワットです。
ダンベルを使うことにより、通常スプリットスクワットよりさらに負荷をかけることができ、より効果が期待できます。
また、自宅においてもハードなトレーニングができてパフォーマンスも上がります。
筋肉への負荷が重くなりますので、ダイエットの効果も期待できます。
How To
- 背筋をまっすぐ伸ばして立ち、両手でダンベルを(手の甲が真横にくるように)持ち、足を肩幅に開きます。
- 右(または左)足が後ろの足より60〜120センチ前に来るようにして前後に開きます。
- 後ろ足でバランスを取りながら、右(または左)の太腿が床と平行になるまで腰を落とします。
- 右(または左)の足の踵で床を押すように腰を上げていき、所定の回数繰り返します。
- 1番の姿勢に戻り、反対側の足でも2~4番までを、所定の回数繰り返し行っていきます。
【Q&A】スプリットスクワットについて多い質問
この章では、スプリットスクワットについて多い質問・疑問に回答します。
Q. スプリットスクワットはヒップアップに効果的ですか?
スプリットスクワットは、お尻の筋肉である大臀筋を鍛えますので、ヒップアップ効果を期待することはできます。
また、太もも全体を鍛えることにより、すっきりと引き締まった下半身を手に入れることも目指せます。
お尻のたるみが気になる人や、代謝の悪化によって下半身太りの悩みを持っている人などには適切な筋トレです。
さらに、脂肪を燃焼する働きをするインナーマッスルを程よく刺激するので基礎代謝が向上し、ダイエットにも効果的です。
Q. ブルガリアンスクワットとスプリットスクワットの違いは?
ブルガリアンスクワットはスプリットスクワットの1種です。
スプリットスクワットは器具などを使わずに平坦な場所で行いますが、ブルガリアンスクワットは、ベンチ、椅子などの器具に後ろ足を乗せて行うところが違います。
スプリットスクワットは、臀部の筋肉と太もも裏側のハムストリングスから、太もも前側の大腿四頭筋にかけての筋肉強化が期待できる筋トレです。
スリムで引き締まった下半身、また、歩行や階段の上り降りなどの動作が楽になることが期待できます。
ブルガリアンスクワットも、基本的に鍛えられる筋肉部位はスプリットスクワットと同じです。
ただし、後ろ足をベンチや椅子などに乗せて行う分、前足により負荷がかかりやすいところが違ってきます。
また、後ろ足をベンチや椅子などに乗せておこなうため、難易度は高いです。
Q. 前後の足幅は大きく広げたほうが効く?
どの部分をメインターゲットにしたいかによって、足幅の設定方法が異なります。
太もも前面の筋肉である大腿四頭筋を鍛えたい場合、狭い足幅によって重心が相対的に前側に移り、太ももの前面に大きな刺激がかかります。
お尻の筋肉である大臀筋を鍛えたい場合、足幅を広げて行うほうが効果が期待できます。足幅が広いことによって重心が相対的に後ろ側に移り、お尻がメインターゲットとなります。可能な限り広い足幅で行うと、効果的なヒップアップが狙えます。
スプリットスクワットで臀部と臀部回りの筋肉をバランスよく効果的に鍛えよう!
この記事では、スプリットスクワットについての正しいやり方、フォームなどを解説してきました。
垂れたお尻や下半身の脂肪太りはスタイルを悪く見せることはもちろんのこと、必要以上に足腰に負担もかかり、健康的にもあまり感心はできません。
スプリットスクワットを継続して行うことにより、下半身の引き締めやヒップアップ効果が期待でき、健康的で丈夫な足腰、理想的な美しい下半身を目指せます。
スプリットスクワットを行い、臀部と臀部回りの筋肉をバランスよく効果的に鍛えましょう。