この記事では、スロースクワットについて詳しく解説していきます。加齢とともに基礎代謝が低下、カロリー消費も追い付かず、気がついたら脂肪がどんどん蓄積され、特に下半身への脂肪の蓄積は悩ましい問題です。
今回解説するスロースクワットは、下半身痩せに効果が期待できる筋トレ。大腿四頭筋など下半身全体に備わっている白筋をほどよく刺激し、脂肪の燃焼を促進する中間筋に変えていくという働きをします。
脂肪の燃焼を促進する中間筋が増えていくことにより、基礎代謝の向上が期待でき、すっきりとした下半身を目指していけます。
スロースクワットとは
スロースクワットとは、下半身全体を鍛えていく自重トレーニングです。表層部にある動作を司る白筋という筋肉を、通称ピンク筋と呼ばれている中間筋に変えていく筋トレです。
筋肉には3種類の筋肉があり、表層部にあって動作において使われる白筋、関節や内臓を安定させ脂肪の燃焼率を高めてくれる赤筋、そして、白筋と赤筋両方の特徴を持つ中間筋があります。
スロースクワットは、大腿四頭筋の他、太もも裏側のハムストリングス、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋といった足全体にある筋肉部位を鍛えていきます。
下半身ダイエット、部分痩せには理想の筋トレであることから、比較的女性におすすめの筋トレです。
スロースクワットが効果的な筋肉部位
スロースクワットで効果的に鍛えられる筋肉部位は、全身の中で最も体積が大きい大腿四頭筋の他、太もも裏側にあるハムストリングス、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋といった部位です。
また、大臀筋も鍛えることから、引き締まった臀部を作ることも期待できます。
このように、効果的に鍛えられる筋肉部位がほぼ下半身に備わっているため、スロースクワットを行うことによって、引き締まった下半身を目指していくことができます。
スロースクワットとノーマルスクワットの違い
スロースクワットは、太ももを覆う大腿四頭筋の他、太もも裏側のハムストリングス、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋といった筋肉部位を鍛えます。
また、脂肪の燃焼を促進させる中間筋を増やしていくことから、下半身全体をスッキリとした体型にします。
一方、ノーマルスクワットは、主に大臀筋と太もも全体を集中的に鍛えます。どちらかというと臀部と太ももに限って鍛えられるといった筋トレです。
こうしたことから、下半身全体の引き締めが期待できるか、下半身の部分的な引き締めが期待できるかの違いになります。
NHK「ガッテン!」でスロースクワットが話題に『糖・脂肪の消費効果に期待』
今回、NHKの「ガッテン!」という番組の中でスロースクワットが取り上げられ、番組の中で「ピントレ」という造語が生み出されました。
なぜピントレなのかというと、スロースクワットを行うことにより、糖の吸収を抑える白筋と脂肪の消費を抑える赤筋、その両方の色と働きを合わせ持つ中間筋を増やす筋トレということで、ピントレと名付けられました。
ピントレと名付けられたスロースクワットは、糖と脂肪の消費の効果が期待できるとして、下半身瘦せの筋トレとして注目されました。
スロースクワットの正しいフォームとやり方
中間筋が増えることにより糖と脂肪の消費を抑え、また脂肪の燃焼率も上がることによって、基礎代謝が向上します。
体質改善や下半身痩せを叶えたい人には、理想的な筋トレであるスロースクワット。
この章では、スロースクワットをより効果的に行うための正しいやり方、フォームを詳しく解説します。
1. 足を肩幅よりやや広めに開いて背筋を伸ばす
まず、背筋を伸ばした直立の姿勢になります。その後、足を肩幅よりやや広めに開いてスタンバイします。
背筋を伸ばす時のイメージとしては、天井から頭の中心に糸がつながっており、その糸に引っ張られているような感じで下腹部に力を入れると良いです。
このとき注意したいのが、猫背にならないよう気をつけることです。猫背になってしまうと力が上半身全体に分散してしまいます。
そうなると、スロースクワットで鍛えられる筋肉部位に負荷がかからなくなる可能性が出てきます。
2. ①の姿勢を維持しながら胸の前で腕を組む
次は、上記の姿勢を維持しながら、腕を胸の前に持ってきて組むか、あるいは手を重ねます。
ここで注意したいのは、腕を組む時、あるいは手を重ねる時に、その動作を行うことで背筋が曲がりがちになることです。
猫背になってしまうと負荷が上半身全体に分散してしまいます。また、下半身全体にかかるはずの負荷が叶わなくなりますので、スロースクワットを行う意味をなさなくなります。
背筋をしっかりと伸ばすことはとても重要です。
3. 太ももと床を平行に保ち腰を落としていく
ゆっくりと息を吸ったり吐いたりを繰り返し、5秒間かけて太ももが床と平行になるように膝を曲げて腰を落とします。
このとき、くれぐれも注意したいのが、猫背や反り腰にならないことです。また、膝から曲げていかないようにも注意しましょう。
膝から曲げていくと、目的の筋肉部位に負荷がかからないばかりか、膝を痛めてしまったり、単なる屈伸運動のようになってしまう可能性があります。
背筋をまっすぐに伸ばした姿勢のまま、お尻を突き出すようなイメージで腰を落としていきます。
4. 腰を落としきったら、膝を伸ばしていく
ゆっくりと息を吸ったり吐いたりを繰り返し、5秒間かけて今度は腰を上げていきます。
このときの大切なポイントとしては、膝を約40度の角度の高さまでにして伸ばし切らないことです。
なぜなら、膝を伸ばし切ってしまうことで、負荷をかけたい目的の筋肉部位に力を入れなくても、そのままの姿勢が維持出来てしまうからです。
ですので、約40度の角度の位置で止まり、膝はあえて伸ばしきらないことが大切です。
目的の筋肉部位に負荷がかかっているかを常に意識し、膝を伸ばし切らずに腰を上げていきましょう。
スロースクワットの回数やセット数の目安
この章では、スロースクワットの回数やセット数の目安について解説します。
スロースクワットは、回数やセット数を多く設定して行うというより、ひとつひとつの動作を確実に行える回数やセット数を決めていくと良いです。
レベルに合わせて回数を設定する
以下は、トレーニング初心者・中級者・上級者とレベル別のスロースクワットの回数目安です。
レベル | 回数 |
---|---|
初心者 | 10回 |
中級者 | 20回 |
上級者 | 30回〜 |
もし「物足りない」と感じた場合、回数を増やすよりも1回の時間を長くするほうが、トレーニングの効果が高くなります。
スロースクワットは、目的の筋肉部位に負荷をかけなくても比較的姿勢を保てるものです。不適切なフォームのままでは、いくら回数を重ねたところで効果を期待できません。
さらに、腰痛や膝痛などを起こす危険もあります。逆にこの回数でも「きつい」と感じた場合、1回にかける時間を短くして、正しいフォームで行いましょう。
セット数は10回を3セットが目安
初心者の場合、まず10回×3セットを実践することを目指しましょう。最初はもっと少ない回数からスタートしても構いません。
慣れてきたら徐々に増やしていき、中級者の場合で20回×3〜5セットを目標に続けましょう。あくまでも、正しいフォームで継続できるセット数を設定することが大切です。
セットとセットの間には、1分程度のインターバルをとります。スロースクワットは毎日行っても構いませんが、週に2~3度でも十分効果を実感できるはずです。まずは継続を目標に、無理のない範囲で実践していきましょう。
スロースクワットの効果を高めるコツ3つ
この章では、スロースクワットを行うに際して、より効果が期待できるコツを3つに分けて解説していきます。
正しいやり方やフォームで行うことはもちろん重要ですが、さらに効果的が期待できるとしてコツを抑えておくことは大切です。
コツ1. 膝を伸ばし過ぎないことがポイント
スロースクワットの動作で膝を伸ばして腰を持ち上げていく際、膝が伸びきるまで行なっている方がいます。
しかし、膝が伸びきると大腿四頭筋などにかかっている負荷が抜けてしまいます。
そのため、膝が伸びきる直前、負荷が逃げない程度に膝を伸ばして行いましょう。
「膝を伸ばしきることにより、負荷を逃さない」ことがポイントです。
コツ2. 膝とつま先は同じ方向を意識する
スロースクワットで腰を落としていく時に、負荷がつらくなって、膝が内側に入ってしまうことがあります。
膝が内側に入ってしまうと、大腿四頭筋などスロースクワットのターゲット部位に負荷がかかにくくなり、トレーニング効果が薄れてしまいます。
腰を落とす時に膝が内側へ入らないよう、膝とつま先が同じ方向になるよう意識しましょう。
慣れるまでは鏡を使ったりして、膝とつま先が同じ方向を向いているかを実際の目で確認しながら行っていきましょう。
コツ3. 膝を90度に曲げて2秒間キープする
膝を90度に曲げて腰を落としてから2秒間キープすることが大切なポイントになります。
腰を落としてから2秒間キープするというゆっくりとした動きが、スロースクワットでの目的の筋肉部位を白筋からピンク筋へと変化させていく期待ができます。
腰を落とした後、そのきつさに早く膝を伸ばしてしまいがちになりますが、先ずは2秒間しっかりとキープして、効果の可能性を高めていきます。
そして、目的の筋肉部位に負荷がかかっていることを確実にしましょう。
【Q&A】スロースクワットについて多い質問
この章では、スロースクワットについて多い質問・疑問に回答します。
Q. 太腿表面の効果は感じますが裏面に効果はありますか?
スクワットで主に鍛えられる筋肉部位は、太もも前側の大腿四頭筋です。
もちろん、太もも裏側のハムストリングスも鍛えることができますが、メインで太もも裏側を鍛えたいのであれば、「レッグカール」という筋トレがおすすめです。
ハムストリングスの主な作用は股関節の伸展と屈曲です。
レッグカールという筋トレでは、膝を上げる、膝を曲げるといったハムストリングの2つの動作を効率的に鍛えることが期待できる筋トレです。
Q. 膝に負担をかけないようにスロースクワットを行うには?
膝の向きとつま先が同じ方向になるように意識して行うと良いです。
膝をつま先と同じ方向へ向けずに外側へ向けたり、逆に内側に向けたりしていると、スロースクワットで鍛えられる目的の筋肉部位に負荷がかからなくなってしまいます。
そして、場合によっては、膝を痛めてしまいます。
その点、膝の向きとつま先が同じ方向になるように意識して行うことにより、膝へ負荷がかかる可能性は低くなり、目的の筋肉部位に負荷がかかるようになります。
Q.足を引き締めるのにはスロースクワットは最適ですか?
スロースクワットを行うことにより、太もも前側の大腿四頭筋、太もも裏側のハムストリングス、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋といった筋肉部位を鍛えることができます。
そのため、比較的むくみやすくて脂肪がつきやすい足の代謝が良くなり、引き締まった美脚効果は期待できます。
また、スロースクワットに関わらずどのような筋トレでもそうですが、より効果を実感するためには、筋トレを正しいやり方やフォーム、適切な回数を継続して行っていくことが欠かせません。
スロースクワットで臀部から下半身にかけての筋肉を効果的に鍛えよう!
脂肪がつきやすく、むくみやすい下半身。脂肪太りでむくんだ下半身は、女性にとっては悩みの種です。
スロースクワットを行うことにより、お尻から足にかけての筋肉を鍛えることは、見た目の美しい下半身を手に入れるチャンスです。
そのうえ、スロースクワットは、通常のスクワットよりゆっくり行う動作が足腰を強化し、脂肪燃焼も期待できます。
スロースクワットでピンク筋(中間筋)を増やして基礎代謝の向上を叶え、臀部から下半身にかけての美しい下半身を目指しましょう。