シシースクワット

シシースクワットの筋トレ効果・やり方|正しいフォームや回数の目安

シシースクワットで強靭な太ももを作るために正しいフォームやトレーニングのやり方について詳しくご紹介します。

メリハリのある太ももを作るだけでなく、基礎代謝を向上させたり、運動パフォーマンスを向上させたりするのにも効果のある自重トレーニングのため、自宅トレーニングに取り入れてみましょう。

フォームが崩れると膝関節に負担がかかりやすいトレーニングですが、初心者の方が注意するべきポイントについても併せてご紹介します。

シシースクワットとは

大腿四頭筋

シシースクワットとは、スクワット系の自重トレーニングの一つです。通常のスクワットが股関節と膝関節を連動させるコンパウンド種目(多関節運動)なのに対して、シシースクワットは膝関節のみを使ったアイソレーション種目(単関節運動)です。

シシースクワットは股関節を全く関与させないようにするのがポイントで、膝から頭までを一直線の棒のようにして、膝関節の屈曲だけで身体を上げ下げします。

▼【参考】シシースクワット解説動画|katochan33

シシースクワットが効果的な筋肉部位

シシースクワットでは、大腿四頭筋(特に大腿直筋)を効果的に鍛えられます。

大腿四頭筋は、太ももの前側にあり、大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋の4つの筋肉の総称です。

特にシシースクワットでは、大腿四頭筋の中でも骨盤から脛骨(すねの骨)まで繋がった大腿直筋を鍛えるのに効果があります。

大腿四頭筋は全身の筋肉の中で最も大きな筋肉であり、「走る・止まる・跳ぶ」といったスポーツ動作にも強く影響するため、鍛えることで基礎代謝の向上からスポーツパフォーマンス向上まで幅広い効果が期待できます。

膝への負担が不安な場合の対応方法

シシースクワットは自宅でも実施しやすい自重トレーニングであり、大腿四頭筋を効果的に鍛えられるのは大きなメリットですが、フォームが崩れると膝関節に強い負担がかかりやすいというデメリットもあります。

膝に不安がある方はシシースクワットをトレーニングメニューに取り入れる際に、トレーニング用のニースリーブ(膝用のサポーター)を使うと、膝関節の負担を軽減させることができます。

トレーニングメーカーの専用ニースリーブは、膝の動作をサポートする作りとなっているため、使用することでトレーニング動作がスムーズになるという利点もあります。

シシースクワットの正しいフォームとやり方

スクワット

シシースクワットの正しいフォームでのトレーニングのやり方をご紹介します。

正しいフォームをしっかり習得して、怪我を予防しながらトレーニング効果を高めましょう。

1. 胸を張り骨盤を後傾させるイメージで股関節を固定する

通常のスクワットとは違い、シシースクワットはいかに股関節を作用させないかがポイントになります。※股関節を使うとただの膝が前へ出たスクワットになります。

大腿四頭筋に効かせるためには、胸を張り、臀部を締めるようにして骨盤を後傾させます。臀部から背中までを1本の棒のようにするイメージをトレーニング中は常にキープするようにしましょう。

2. 手で補助しながら足を肩幅に開きつま先立ちになる

シシースクワットはバランスが不安定なトレーニングメニューのため、トレーニング中はバーベルラックなどを手で掴んでサポートできるようにしておきます。両手で補助すると安定感のあるトレーニングができます。

足を肩幅に開いたら、膝を少し前へ曲げながらつま先立ちになり、バランスを取ります。この状態がスタートポジションになります。

3. 膝の角度が90度になるところまで後傾しながらしゃがむ

臀部から背中にかけて、身体を曲げないように一直線の姿勢をキープした状態で、上半身を後ろに倒すように後傾しながらしゃがんでいきます。

上半身を後傾させればさせるほど、自然とバランスを取るために膝は前へと出ます。

初心者の方は、膝関節への過度の負担を避けるため、しゃがむのは膝が90度程度まで曲がるところまでにしましょう。

4. 大腿四頭筋への負荷を意識しながら身体を起こす

両手でバランスが保てるように適度に補助しながら、大腿四頭筋に力を入れて立ち上がります。

つま先立ちの状態をキープするため、直立まで上半身を起こす必要はありません。膝をまっすぐにしてしまうと負荷が抜けてしまうため、少し曲げた状態まで戻したら、次のスクワット動作に移ります。後は、設定した回数分同じ動作を繰り返します。

シシースクワットの回数やセット数の目安

大腿四頭筋,ストレッチ

シシースクワットで大腿四頭筋を効果的に鍛えるには、トレーニング目的に応じた回数設定がポイントとなります。

初心者の方でもトレーニングメニューが組めるように詳しいポイントを解説するので、参考にしてみてください。

目的に合わせて回数を設定する

トレーニングは、主に以下の3つの目的に合わせて回数を設定します。

  • 筋力アップ
  • 筋肥大
  • 筋持久力アップ

筋力アップは、筋肉が1回の収縮で発揮できる力を向上させるためのトレーニングです。スポーツ分野で一瞬のプレーの強度を高めるのに効果的です。

筋肥大は、文字通り筋肉を大きくするためのトレーニング。ゴツゴツとした太ももを作りたい方などが対象です。

筋持久力アップは、同じ繰り返しの動作をより高回数行えるようにするためのトレーニングです。日常の体力アップから、スポーツ分野で長時間のプレーに耐えられる身体作りに効果的です。

それぞれの設定回数は以下の表で確認してみましょう。

目的 回数
筋力アップ 5〜10
筋肥大 10〜15回
筋持久力アップ 15〜20回

シシースクワットは、初心者の方だと自重のみでも4、5回程度が限界の場合が多いため、高回数のトレーニングを行う場合には、両手の補助でサポートして、設定回数で限界が来るように調整できます。

また、トレーニングに慣れてきて目的別に設定した回数だと余裕が残る場合には、ウエイトなどで負荷を足して、常に設定回数で筋肉を限界まで追い込むようにしましょう。

セット数は3〜5回が目安

1セットの回数をトレーニング目的に合わせて決めたら、3~5セットを目安に行います。

膝関節への負担を避けるため、最初の1セットは両手の補助を大きくして膝を温めたり、筋肉を柔らかくするウォーミングアップに当てます。

セット数の後半では筋肉の疲労が溜まり、身体を上げるのが辛くなってきたら、しゃがむ角度を少し浅くして、設定した回数で大腿四頭筋を追い込むようにしましょう。

シシースクワットの効果を高めるコツ3つ

足,筋肉

シシースクワットでトレーニングの効果をより高めるための3つのコツについてご紹介します。

気をつけるべきポイントを確認して負荷を大腿四頭筋へかけることで、筋トレ効果をしっかり得られるようにしましょう。

コツ1. 重心にプレートやダンベルを持って負荷を増やす

初心者の方だと自重だけでも十分に大腿四頭筋へ効かせられますが、トレーニングに慣れてくると自重だけでは15回以上スクワット動作を繰り返せるようになってきます。

筋持久力アップのためなら問題ありませんが、筋力アップや筋肥大を目的としたトレーニングの場合には少し強度不足になります。

負荷が足りなくなってきたら、ダンベルを持ったりプレートをお腹のところに当てることでトレーニング強度を高められます。

コツ2. 重心を膝から頭のラインの真ん中に置いてまっすぐしゃがむ

シシースクワットで多い失敗例は、膝だけが前へ出てしまうパターンです。膝関節が痛くなる原因になります。

トレーニングを実施する際には、膝の動きに連動させて上半身を後傾させることで、常に重心を膝から頭までのラインの真ん中に置くイメージでトレーニングするようにしましょう。

バランスが取れるようなら、片手でお腹を押さえると重心を意識しやすくなります。できればスマホなどで横から自分のフォームを動画で撮影して、前後のバランスが崩れたり、重心が膝寄りになっていないか確認するようにしましょう。

コツ3. ジムではスミスマシンを使って負荷を増やせる

ジムでトレーニングができるようであれば、スミスマシンを使えばより安定した動作で負荷を増やすことが可能です。※専用のシシースクワットマシンもありますが、置いていないジムも少なくありません。

バーベルをラックアップしたら、足の位置を肩幅分ほど前へ置き、通常のシシースクワットと同じように股関節を固定して膝関節だけを屈曲させてスクワット動作を行います。

シシースクワットは高重量を扱いやすい種目ではないため、バー(シャフト)だけでも十分負荷が高まります。

シシースクワットの種類・バリエーション

足,筋肉

シシースクワットにはいくつかのバリエーションがあり、トレーニング種類によって大腿四頭筋への負荷のかけ方を変化させることができます。

代表的なシシースクワットのバリエーションである「ワンレッグシシースクワット」についてご紹介します。

ワンレッグ・シシースクワット

ワンレッグシシースクワットは、片足だけで動作を実施するシシースクワットのバリエーションの一つです。

片足でスクワット動作を行うことで、通常のシシースクワットよりもさらに強い負荷を大腿四頭筋へかけることができます。

初心者向けではありませんが、シシースクワットに慣れてきて自宅トレーニングの強度をさらに上げたい場合や、筋力アップや筋肥大のために負荷を調整したい場合に活用しましょう。

How To

  1. 両手でバーベルラックなどを掴み片足立ちになる
  2. つま先立ちになり、胸を張って骨盤を後傾させる
  3. バランスを取りながら、上半身を後傾させてしゃがむ
  4. 大腿四頭筋への負荷を意識しながら身体を起こす

【Q&A】シシースクワットについて多い質問

シシースクワットについてよくある質問にもお答えします。

初心者の方で多い「膝が痛い」や「どのタイミングで呼吸したら良いかわからない」といった疑問への対処法もご紹介するので、トレーニングの参考にしてみてください。

Q. シシースクワットで膝が痛い場合にはどうしたら良い?

膝関節への負荷を減らすシシースクワットのバリエーションでおすすめなのが「リバースノルディックカール」。

マットの上で膝立ちになって、シシースクワットと同じように膝から背中までを固定した状態で身体を45度くらいまで後傾させて戻す動作を繰り返します。

シシースクワットよりも膝への負担を軽減させることができます。

Q. シシースクワットはどのタイミングで呼吸するのが正解?

呼吸法は基本的なスクワットと同様で、筋肉が伸びる時に息を吐き、縮む時に息を吸います。

具体的には、後傾する時に息を大きく吸い後傾動作を始めます。一番きついポジション(スティッキング・ポイント)を過ぎて膝の角度が90度になり、身体を起こしはじめたら、息を吐き出しながらスタートポジションに戻るようにしましょう。

呼吸の仕方を意識することで力を入れやすくなります。

Q. シシースクワットはどんなトレーニングと組み合わせるべき?

シシースクワットは大腿四頭筋にフォーカスしたメニューのため、下半身を鍛える筋トレなら自宅トレーニングでも実施しやすい「ランジ」を組み合わせるようにしましょう。

ランジは下半身全体を鍛えるのに効果的なトレーニングですが、特にシシースクワットでは鍛えにくいハムストリングスや臀筋群といった、下半身の後面を鍛えるのに優れたトレーニングです。

シシースクワットで大腿四頭筋を効果的に鍛えよう!

シシースクワットで大腿四頭筋を効果的に鍛えるやり方や正しいフォームについてご紹介しました。

大腿四頭筋は筋肉の中でも一番大きな部位のため、鍛えることで太もも周りの見た目の強化だけでなく、基礎代謝の向上やスポーツパフォーマンス向上など様々な効果が期待できます。

初心者の方でもわかりやすいように、トレーニング目的に合わせた回数設定やセット数の決め方もご紹介したので、自宅トレーニングでシシースクワットを取り入れるのに参考にしてみてください。

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