シュラッグを取り入れることで太くたくましい首と肩を作ることができます。首回りの僧帽筋を鍛えると姿勢の矯正、猫背改善に効果がある他、肩回りに厚みが出ることで見栄えの良い上半身が出来上がります。
ダンベルシュラッグやバーベルシュラッグなど器具を使ったトレーニングですが、水や砂を入れたペットボトルなどでも代用可能です。
是非ともシュラッグをトレーニングメニューに加えて、たくましい体を作ってください。
シュラッグとは
シュラッグとは、ダンベルやバーベルを用いて僧帽筋を鍛える種目です。
男性であればたくましい背中を作ることができ、姿勢矯正にも効果がありますので男性女性問わずにおすすめのトレーニングです。
片手で行うことも可能ですので、左右の対比が気になる場合は片手でのシュラッグを取り入れることも効果的です。
エクササイズとしても取り入れ可能で、肩こりの改善にも効果があります。
シュラッグを行うことで肩回りの血流が良くなるという理由で、肩こりに効くというわけです。
シュラッグが効果的な筋肉部位
シュラッグは主に僧帽筋の上部を鍛えるトレーニングで、また鍛えられるサブの部位として僧帽筋中部や肩甲挙筋にも刺激を与えられます。
肩甲骨を引き寄せる筋肉を僧帽筋といい、シュラッグを正しく行うことで僧帽筋が発達し、背中に厚みが出ます。
僧帽筋は上半身の中でも5番目に大きな筋肉で、首筋から肩の丸くなった骨の部分の間にある筋肉です。
僧帽筋は肩甲骨を安定させ、首のサポートなどに使われる筋肉です。
僧帽筋は上半身の大部分を占める大きな筋肉であるため、首や腕を支える働きがあり、鍛えることでそれぞれの部位をスムーズに動かすことができるようになります。
シュラッグで使う筋トレマシン・器具
- ダンベル
- バーベル
- シュラッグマシン
シュラッグで使用する器具はダンベルやバーベルです。シンプルなウェイトトレーニングなので、メニューに加える際も簡単に取り入れられます。
シュラッグマシンは僧帽筋に負荷をかけるためにつくられたマシンです。バーベルなどのバーと比べ平行もしくは若干斜めになっているため、より僧帽筋に効かせられる構造となっています。
ウェイトスタック式であれば、ピンを一本挿すだけでウェイトの変更ができて便利です。ディスクロード式はバーベルのプレート(ウェイト)を装着していく方式で片面に20kgプレートが5枚〜7枚までつけられるため、より負荷を大きくしたい場合におすすめです。
ダンベルなどを用意しなくても、代用品として水や砂を入れたペットボトルでシュラッグを行うことができるため、初心者にもおすすめのトレーニングです。
シュラッグの平均重量(男女別)
初心者の場合の平均重量ですが、両手での合計重量が男性であれば30kg、女性であれば20kgを目安に設定し行いましょう。
シュラッグの重量は、筋肥大目的であれば10回ギリギリ上げられるかどうかの重量選びをおすすめします。男性初心者であっても30kg、女性は20kgを目安に始めてみましょう。
エクササイズ目的で行う場合は、20回ギリギリ上げられる重量を選ぶのがおすすめです。
シュラッグは正しいフォームでギリギリまで追い込めるように取り入れる方が効果的であるため、個人によって重量を調整しましょう。
初心者であればギリギリまで追い込む必要はなく、まずは他のトレーニングの準備運動としてシュラッグを行うことも有効です。
シュラッグの種類とやり方
シュラッグにはダンベルシュラッグ、バーベルシュラッグ、ケーブルシュラッグがあり、使用する器具によってより高負荷をかけられるようになります。
ダンベルシュラッグは僧帽筋上部と肩を後方に動かすことで僧帽筋中部にも負荷をかけることができます。
バーベルシュラッグは高重量でのトレーニングが可能なため、僧帽筋上部に高負荷をかけることが可能です。
ケーブルシュラッグはダンベルやバーベルを使用した時と比べ、可動域が増え負荷を逃しにくいというメリットがあります。
より一層僧帽筋への負荷をかけたい場合はケーブルシュラッグをおすすめします。
高重量なウエイトを使用して行うと効果も高くなりますが、重量が重すぎると正しいフォームで行えない場合もありますので注意しましょう。
ダンベル・シュラッグ
初心者やエクササイズにもおすすめなのがダンベルシュラッグです。
細かい重量調整が可能であり、セット毎に重量を下げていくことでフォームの崩れを防ぐこともできます。
ダンベルシュラッグのポイントは肩甲骨を寄せるイメージを持ち、その動作に集中することです。
この際に上半身を前後に動かしたり、肘を曲げたりしないよう注意しましょう。
せっかくの負荷が僧帽筋に伝わらず他の部位へと逃げてしまいます。
How To
- 足を肩幅に広げます。
- ダンベルを体につかないようぶら下げるイメージで、肩から真っ直ぐに持ちます。
- フォームは背筋を伸ばした正しい姿勢を意識し、息を吐きながらゆっくりとダンベルを肩をすくめるように上に持ち上げます。このときに腕の力であげたりしないように注意し、僧帽筋を意識して肩甲骨を寄せるイメージで動かします。
- 息を吸いながらゆっくりとダンベルを下ろします。
バーベル・シュラッグ
バーベルシュラッグは名称通りバーベルを使用して行うシュラッグで、片手ずつ器具を持つダンベルシュラッグと比べ、バーベルを用いることで高重量のトレーニングが可能となる点がメリットです。
バーベルはプレートを組み合わせれば100kgを超える重量に設定することが可能です。
ダンベルシュラッグ同様にフォームの崩れには注意しましょう。
How To
- 足は腰幅に広げ、手幅は肩幅分に開き、力を入れずに下ろした状態でバーベルを持ちます。
- バーベルを肩をすくめるように、また肩甲骨を寄せるイメージで息を吐きながら持ち上げます。このときに僧帽筋を意識し、下半身に力を入れないよう注意しましょう。
- バーベルを上げた状態を3秒間キープします。一時停止することで僧帽筋により負荷をかけられます。
- 息を吸いながらバーベルを元の位置に戻します。
ケーブル・シュラッグ
ケーブルマシンを使用すると負荷が逃げにくい、可動域が広くなるといったメリットがあります。
自宅で行うのは難しくなりますが、より僧帽筋への負荷をかけたいという場合にはケーブルマシンを用いたケーブルシュラッグがおすすめです。
こちらも基本動作の肩甲骨を寄せる動作に集中することが重要です。
肘関節の動きが大きくなると上腕二頭筋に負荷が逃げてしまい、僧帽筋への効果が薄れてしまいますので注意が必要です。
How To
- 肘が完全に伸びる位置でアタッチメントを握り構えます。
- 肩甲骨を寄せながらアタッチメントを引き上げます。
- アタッチメントを引き上げたら、しっかりと僧帽筋を完全収縮させます。
- 僧帽筋への効果を感じながら元に戻します。
シュラッグの重量や回数、セット数の目安
シュラッグは基本的に上げられる重量を限界まで上げることで、効果が最大限発揮されます。
回数を多くするよりも重量で調節し、より高重量なトレーニングをすることがおすすめです。
こちらでは目的別の回数やセット数を明確にしていきます。
目的に合わせて重量や回数を設定する
RM(Repetition Maximum)は反復可能最大回数を指し、ある重量に対し何回繰り返すことができるのかを表したものです。
1RMであれば1回しか反復できない重さであり、その人にとって上げることのできる最大重量です。
シュラッグでの重量や回数の設定は目的により異なりますので、以下の表を確認し自分の目的に合った回数を設定してください。
目的 | 回数(RM) |
---|---|
筋力アップ | 3〜6回 |
筋肥大 | 6〜12回 |
筋肉の持久力アップ | 15〜20回以上 |
セット数は3セットが目安
僧帽筋は負荷に対する耐性が高く、かなりの高負荷をかけたほうが効果が高いです。
筋力アップでは3〜6回で反復限界、筋肥大目的の場合は6〜12回で反復限界がくる重量設定がおすすめです。
エクササイズや肩こり防止のトレーニングの場合は、15〜20回の反復を目安にします。
セット数はそれぞれ3セットを目標に行います。
シュラッグでは上げられる最大重量を正しいフォームで行うことに意味があります。
回数を多く上げられる場合は重量が不足している場合もありますが、僧帽筋に効いておらず上腕二頭筋や下半身に負荷が逃げてしまっている可能性もあります。
シュラッグの筋トレ効果を高めるコツ3つ
シュラッグを行う際の効果を高める、または効果を最大限に活かせるよう、シュラッグのコツや注意点についてまとめていきます。
高負荷なトレーニングですが、無理をして高重量を設定すると思わぬ怪我や事故にも繋がりますので注意が必要です。
コツ1. 負荷をかけすぎない
高負荷をかけるトレーニングではあるものの、フォームが崩れるような重量を設定すると僧帽筋への負荷がかからず効果を半減させてしまいます。
ダンベルシュラッグの場合は横に構えるため肩の可動域が広くなりますが、バーベルシュラッグの場合は可動域が狭くなるため肩に余計な力が入りやすくなりますので注意が必要です。
バーベルシュラッグではより高負荷をかけられますが、ダンベルを使用することで可動域が広くなり僧帽筋上部への負荷をかけやすくなるというメリットもあります。
初心者の場合はダンベルを使用し、僧帽筋への効かせ方を覚えることで、最適な重量選びが可能になります。
コツ2. 前傾姿勢にならないよう注意する
シュラッグでのフォームの重要性はすでに説明しましたが、高負荷を意識するあまり重量設定を高重量にし過ぎると、その重量に耐えられず前傾姿勢になりがちです。
前傾姿勢になり、フォームが崩れると上腕二頭筋や下半身へ負荷が逃げるだけでなく、筋肉を痛める原因にも繋がります。
前傾姿勢になってしまう場合は重量設定の見直しが必要です。
またサポートベルトがあれば、背筋が伸びた状態でシュラッグを行うことができるためおすすめです。
コツ3. チーティングに気をつける
チーティングとは反動をつけて持ち上げることで、チーティングを利用した種目もありますが、シュラッグの場合はこのチーティングにも注意しましょう。
高重量を扱うためやりがちなミスですが、効果が半減してしまいます。また重量に耐えきれず僧帽筋を痛めたり、思わぬ怪我に繋がる場合もあります。
バーベルシュラッグの場合に多いですが、ダンベルシュラッグであれば細かい調整が可能になりますので、チーティングをせずに上げられるような重量設定をしましょう。
【Q&A】シュラッグについて多い質問
シュラッグについてよく聞かれる質問や疑問について解説します。
動作の流れや注意点などは上で説明した通りですが、触れられなかったものについて解説していきます。シュラッグを取り入れる際の参考にしてください。
Q. シュラッグは僧帽筋全体を鍛えられる?
シュラッグは僧帽筋をメインとしたトレーニングですが、主に効果があるのは上部で、中部や肩甲挙筋にも多少の刺激が入ります。
僧帽筋上部は正面から見た時の肩の盛り上がりの部分で、ガッチリとした体を目指したい人はこの僧帽筋上部を鍛えることで、迫力のある体になります。
僧帽筋中部は肩甲骨の動きに直結しており、肩甲骨の動作範囲を改善することができます。胸を張る姿勢にも使われる筋肉であるため、姿勢矯正にも効果があります。
Q. 首を太くするトレーニングは別に必要?
首を太くすることで、男性であればガッチリとしたいわゆるスーツが似合う体型になります。首の筋肉は僧帽筋と胸鎖乳突筋の2つの筋肉が大部分を占めています。
胸鎖乳突筋は首を曲げたり回転させるといった際に使う筋肉で、ボクシングなどの打撃に耐える筋肉であるため、首の太さを太くするためにはシュラッグで十分な効果が得られます。
シュラッグを行い僧帽筋の発達に比例して首も太くなります。
Q. シュラッグを行うと肩こり解消にも繋がる?
僧帽筋中部を鍛えるシュラッグでは姿勢矯正の他、血流を良くすることにも効果があります。
肩こりは無意識に頭や顎が前に出てしまい、筋肉が伸びて緊張した状態をいいます。この状態が続くと血流が悪くなり乳酸がたまった結果、肩こりとして痛みを引き起こします。
シュラッグではこの緊張した筋肉をほぐし、血流を良くするため肩こり改善に効果があります。肩こり改善のために行うシュラッグは可動域を大きくとり、回数を多く行うことがコツです。
シュラッグで僧帽筋を効果的に鍛えよう!
肩こりの天敵である僧帽筋の劣化、その僧帽筋を鍛えることにより僧帽筋の働きが正常になって血流が良くなり、肩こり予防や解消を促します。
また、僧帽筋を鍛えることにより肩の無駄な贅肉が取れて厚みができ、男性はより男らしい上半身に、女性は肩回りが締まって小顔効果の美しいシルエットを手に入れることになります。
肩こりの解消や肩回りの美しいシルエット、その効果は一石二鳥。シュラッグで僧帽筋を効果的に鍛え、理想の上半身、肩回りを手に入れましょう!