ジャンピングスクワットは筋肥大や筋力だけでなく、瞬発力や切り返しのスピードなどが鍛えられることからアスリートも取り入れているトレーニングです。
ジャンピングスクワットをトレーニングにとりいれるべき理由はこんなにあります。
- 自重でも筋肉に強い刺激を与えられる
- 通常のスクワットでは鍛えにくい筋肉も鍛えられる
- ジャンプ力や瞬発力などスポーツにも活かせる筋肉を鍛えられる
- 全身を使うハードな運動なのでダイエットにも効果的
そこで本記事では、ジャンピングスクワットの正しいフォームや効果的なやり方、回数の目安などをご紹介します。
ジャンピングスクワットとは
ジャンピングスクワットとは、背筋をまっすぐ伸ばした状態で屈伸運動を繰り返すノーマルスクワットにジャンプを加えたトレーニング。
通常のスクワットよりもジャンプをする分、筋肉に強い負荷を与えられます。筋力向上や筋パワー向上、ダイエットなど様々な目的に効果的なトレーニングの一つです。
自重でも十分に追い込めるトレーニングなので、家で運動をしたい人にもおすすめです。
ジャンピングスクワットが効果的な筋肉部位
ジャンピングスクワットは以下の部位に効果的です。
- 大腿四頭筋(太もも前側にある筋肉で大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋の総称)
- ハムストリングス(太もも後部の筋肉で大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の総称)
- 大臀筋(お尻の筋肉)
- ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)
ジャンピングスクワットは通常のスクワットにジャンプを加えた動作です。通常のスクワットでは大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋をメインに鍛えられます。
ジャンピングスクワットはジャンプの動作で足関節の底屈が大きいため、ふくらはぎの筋肉も効果的に鍛えられます。
ジャンピングスクワットとノーマルスクワットの違い
ジャンピングスクワットとノーマルスクワットの大きな違いは、ジャンプをするかしないかです。
ノーマルスクワットは単にしゃがんで立ち上がるという動作ですが、ジャンピングスクワットは、その名の通りジャンプをしながらスクワットを行います。
ジャンピングスクワットはノーマルスクワットに比べて一気に力を爆発させるので、瞬発力やジャンプ力を鍛えるのにも効果的です。
実際にウェイトを扱ったスクワットと自重のジャンピングスクワットを比べたデータ(※)でも、ジャンピングスクワットの方が瞬発的にかかる負荷が高いことが示されています。
ジャンピングスクワットの正しいフォームとやり方
1. 腰幅、もしくはそれより少し脚を開いて立つ
まず、ジャンピングスクワットのスタートポジションについて解説します。脚を腰幅かそれよりも少し広めに開きます。
ちなみに、ジャンピングスクワットは自重でやる場合とウェイトを使ってやる場合があります。より筋肉を発達させたいなら、ウェイトを使うのが効果的です。
自重でやる場合は手は肩から自然に下ろします。ウェイトを使う場合は、バーベルやパワーラックが必要です。
2. 膝が90度になるまでしゃがみスタートポジションを作る
脚を開いたら身体を少し前傾させて、股関節を曲げながら膝が90度になるくらいまでしゃがみます。このときに膝が前に出すぎると、膝関節に負担がかかりすぎて痛めてしまうので注意が必要です。
また背中はまっすぐ伸ばします。丸まったり反りすぎたりすると、腰を痛める原因になります。
これでスタートポジションの完成です。自重でやる場合もウェイトを扱う場合も基本的な動作は変わりません。
3. 腕を振り上げると同時に、思いっきりジャンプする
スタートポジションができたら、腕を振り上げると同時に思いっきり地面を蹴ってジャンプします。できるだけ高く飛ぶように意識するのがポイントです。
ちなみにウェイトを扱う場合は、バーが肩から落ちないように両手でしっかりとバーを支えます。
大事なのは爆発的に力を加えて、一気にジャンプすることです。また、その場(同じ位置・場所)で飛ぶことを意識します。
4. 着地と同時に股関節と膝を曲げスタートポジションに戻る
ジャンプした後は、着地と同時に股関節と膝を曲げてスタートポジションの膝が90度の状態に戻ります。
衝撃を吸収するように、膝と股関節を使って滑らかに着地するのがポイント。このときも膝が前に出すぎないように要注意です。
後はジャンプと着地の動作を一定回数繰り返すだけです。呼吸はジャンプするときに息をフッと一気に吐き、着地するときに吸います。
ジャンピングスクワットの回数やセット数の目安
続いてジャンピングスクワットの回数やセット数の目安をご紹介します。
初心者・中級者・上級者別の回数目安
ジャンピングスクワットの回数目安は20〜30回です。
筋トレ初心者の場合は、まずは10回からジャンピングスクワットを始め、段階的に20回、30回と回数を増やしていきましょう。
レベル | 回数 |
---|---|
初心者 | 10回 |
中級者 | 20回 |
上級者 | 30回 |
筋トレは、正しいフォームでターゲット部位に適切に負荷をかけることが基本です。
上記は、あくまで目安の回数となっており、正しいフォームでこなせる回数で行いましょう。
セット数は3〜5回が目安
筋肉の発達と筋トレのセット数を調べた研究では、ほとんどのトレーニングで最低でも一度に2セット以上必要ということが示されています。
また同じ研究(※1)で、週に10セット以上行うのが最適とも言われています。週に10セットのボリュームを確保するには、一度に3~5セットが最も効率的です。
5セットより多いとダメなのかと疑問に思う人もいるかもしれません。ですが別の研究(※2)で、6セットを超えるとタンパク質の合成が減少することが示されています。
そのため3~5セットが目安にしてみてください。
※参考
※1 Evidence-Based Guidelines for Resistance Training Volume to Maximize Muscle Hypertrophy|ResearchGate
※2 Muscle protein synthetic responses to exercise: effects of age, volume, and intensity|PubMed
ジャンピングスクワットの効果を高めるコツ3つ
ジャンピングスクワットの詳しいやり方は少し上の方で説明しましたが、続いては効果を高めるコツを3つ紹介します。
以下のポイントを押さえておくことで、対象の筋肉により強い刺激を与えられ、瞬発力をより効果的に鍛えることができます。
コツ1. しゃがんだ時に膝を曲げすぎないようにする
多くのスクワットではなるべく深くしゃがんだ方が筋肉の発達に有効です。しかしジャンピングスクワットは、通常のスクワットよりもジャンプをする分負荷が強いため、膝や腰への負荷も高まります。
そのため、ジャンピングスクワットで深くしゃがみすぎると、かえってケガをする可能性があります。
ジャンプの衝撃を吸収するために深くしゃがんでしまうのはしょうがないですが、意識して深くしゃがむ必要はありません。最高でも90度くらいまでしゃがめば十分です。
コツ2. 脚だけでなく身体全体を使うイメージでジャンプする
ジャンピングスクワットの効果を高める2つ目のコツは、脚だけでなく身体全体を使ってジャンプすること。
ジャンピングスクワットは単に脚の筋肉を鍛えるだけでなく、瞬発力やジャンプ力も鍛えられるトレーニングです。
動作中は脚の筋肉だけを使うのではなく、身体全体を使ってジャンプすることを心がけます。
そのほうが身体全体の連動性が高まり、高重量を扱えたり、動作速度を上げられたりするようになります。それだけでなく、よりスポーツに活かしやすい形で筋肉が鍛えられます。
コツ3. 着地からジャンプまでの切り返しをできるだけ速くする
ジャンピングスクワットの効果を高める最後のコツは、動作をできるだけ速くすること。
ジャンピングスクワットで筋力や瞬発力を鍛えるには、動作速度と扱う重量が大切です。
例えばプロラグビー選手を対象にした実験(※)では、ジャンピングスクワットで扱う重量や動作速度が速い選手ほど、ジャンプ力や短距離走が速いことが示されています。
そのため、ジャンピングスクワットで筋パワーや瞬発力を鍛えたいなら、ある程度のウェイトを用いたうえで切り返し速度を速くすることが重要です。
【Q&A】ジャンピングスクワットについて多い質問
以下では、ジャンピングスクワットについて多い質問・疑問に回答します。
Q. 重りを使ってジャンピングスクワットをやる場合は?
筋力アップや瞬発力を鍛えたいなら、重りを使ったジャンピングスクワットが有効です。ウェイトを用いる場合は、バーベルやパワーラックが必要です。
基本的なフォームは自重でやる場合と変わりません。バーを僧帽筋上部で担ぎ、落ちないように両手で支えます。
ウェイトを扱うとケガのリスクも上がるため、正しいフォームを身に着けることがとても重要です。
Q. ジャンピングスクワットで膝が痛くなる原因は?
ジャンピングスクワットは通常のスクワットよりも膝関節への負荷が高いため、しっかりとしたフォームでやらないと膝を痛めるリスクが上がります。
ジャンピングスクワットで膝を痛める原因は、以下の2つが考えられます。
- 着地の時につま先だけで着地をしてしまって、膝が前に出すぎている
- 膝が内側に入ってしまっている
膝が痛い人はまずは上の2点に注意です。
Q. ジャンピングスクワットはHIITにも効果的?
ジャンピングスクワットは全身を使い、心拍数も上がるトレーニングなので、HIITに有効です。
HIIT(高強度インターバルトレーニング)とは、高強度の運動と休憩を交互に行うトレーニングです。たった4分のHIITでも、ランニングなどの有酸素運動より脂肪燃焼効果が高いとされています。
ジャンピングスクワットを使ったHIITの具体的なやり方は以下の通りです。
- ジャンピングスクワットを20秒全力でやる(自重)
- 10秒休憩
- 1と2を合計で8回(4分)繰り返す
トレーニングをする時間がない方や、長時間の運動が苦手な方はHIIT形式でやってみましょう。
ジャンピングスクワットで大腿四頭筋や瞬発力を効果的に鍛えよう!
本記事では、ジャンピングスクワットの正しいフォームや効果を高めるコツなどを紹介しました。
ジャンピングスクワットは、あまりやっている人を見かけないトレーニングではありますが、プロスポーツ選手も行うくらいパフォーマンスの向上に効果的な種目です。
- 普通のスクワットをずっと続けているけど、最近少し伸び悩んでいる
- 筋肉を大きくするだけでなく、スポーツで使える筋肉が欲しい
- 脚やお腹周りを引き締めたい
このような人は、ぜひジャンピングスクワットをトレーニングに取り入れてはいかがでしょうか。