ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーの効果・やり方|広背筋・大胸筋トレにおすすめ!

ダンベルプルオーバーは縦方向の刺激で大胸筋と広背筋を鍛えられる筋トレメニューです。

また、「厚い胸板を手に入れたい」という男性や「バストアップしたい」という女性にとって重要な胸郭の拡張が狙える数少ない筋トレ種目でもあります。

今回は鍛える部位に応じた効果的なダンベルプルオーバーのやり方や効果を高めるコツについてご紹介します。

初心者の方でもわかりやすいように目的別に応じた重量や回数の設定の仕方も詳しく解説しているので、筋トレメニューに取り入れる参考にしてください。

ダンベルプルオーバーとは

ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーは、仰向けになった状態でダンベルを頭上から手前に引き寄せる(プル)動作で筋肉を収縮させるトレーニングです。

ダンベルプルオーバーは、筋肉が伸びた状態で最大負荷がかかるストレッチ種目のため、ベンチプレスやダンベルプレスなどミッドレンジ種目の後に仕上げとしてよく取り入れられる筋トレメニューになります。

また、肘の角度を調節することで鍛えられる部位が変化するのがダンベルプルオーバーの大きな特徴です。

そのため、自分がどの部位に効かせようとしているのか意識して、正しいフォームで実践することが重量です。

ダンベルプルオーバーが効果的な筋肉部位

ダンベルプルオーバーでは、以下の筋肉の部位を鍛えられます。

鍛えられる部位

  • 大胸筋
  • 広背筋
  • 胸郭
  • 小胸筋
  • 前鋸筋
  • 上腕三頭筋
  • 広背筋
  • 大円筋

フォームを変えることで大胸筋を鍛えるダンベルプルオーバー、広背筋を鍛えるダンベルプルオーバーの2種類があります。

大胸筋を鍛えるメニューのほとんどは大胸筋を横方向に刺激しますが、ダンベルプルオーバーでは縦方向の刺激を入れられるのが特徴です。

また、胸郭は筋肉の部位ではありませんが、大胸筋の土台としての役割があります。ダンベルプルオーバーではこの胸郭を拡張させる作用があり、胸囲を大きくさせるために大胸筋トレーニングと併せて取り入れると効果的です。

フォームを変えると、背中の逆三角形を作るのに重要な広背筋にも縦方向の刺激が入れられます。

また、二次的に小胸筋、前鋸筋、上腕三頭筋、大円筋なども鍛えられますが、間違ったフォームで行ってメインである大胸筋や広背筋への負荷が二次的な部位に抜けてしまわないように注意しましょう。

ダンベルプルオーバーで使う筋トレマシン・器具

ダンベルプルオーバーで使用する筋トレ器具は以下の通りです。

  • フラットベンチ
  • ダンベル

ジムはもちろん、自宅でも簡単に揃えられる器具で実施できる種目と言えます。

自宅用に購入する場合には、フラットベンチでも構いませんが、他のトレーニングメニューも取り入れる予定であれば、少し値は張りますが角度の調整が可能なベンチがおすすめです。

ダンベルについては、ラバータイプのものを用意すると、床の傷つきを防いだりダンベル同士が当たった際の金属音を防いだりできます。

ダンベルプルオーバーの平均重量(男女別)

ダンベルプルオーバーで上げられる重量は性別や体重、その人のトレーニングレベルによって異なります。

そのためあくまで参考程度となりますが、平均重量は75kgの男性で30kg、55kgの女性で15kgくらいがひとつの目安となります。

ただし、ダンベルプルオーバーは慣れていない状態で高重量を扱うと、肩関節を痛める原因になるため注意しましょう。

男性なら10kg、女性なら5kg程度の軽い重量から自分の限界を少しずつ試していくようにすることをおすすめします。

ダンベルプルオーバーは広背筋・大胸筋を鍛えられる

ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーは肘の角度によってターゲットが広背筋と大胸筋で変わるユニークな筋トレ種目です。

それぞれ肘の角度によって個別の名前が付けられています。

ベントアームプルオーバー 肘を内側に曲げて閉じた状態でダンベルを持ち上げる動作。肘を閉じることで特に大胸筋に縦方向の負荷をかけることできる。
ストレートアームプルオーバー 肘を外側に伸ばして開いた状態でダンベルを持ち上げる動作。肘を開くことで特に広背筋に縦方向の負荷をかけることができる。

ダンベルプルオーバーを実施する際には、どちらの部位を刺激するのか意識して行わないと中途半端なトレーニングになってしまいます。

また、胸郭の拡張を狙ってトレーニングする場合は、ベントアームプルオーバーとストレートアートアームプルオーバーの両方を実施するとより効果的です。

ダンベルプルオーバーの正しいフォームとやり方

ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーの正しいフォームとやり方を確認してみましょう。

広背筋に効くストレートアームプルオーバーと大胸筋に効くベントアームプルオーバーそれぞれのやり方についてご紹介します。

広背筋に効くストレートアームプルオーバーのやり方

ストレートアームプルオーバーは、広背筋を鍛えるのに効果的な筋トレメニューです。

広背筋は面積の大きな筋肉の部位ですが、ストレートアームプルオーバーでは主に広背筋側部を鍛えられます。広背筋側部は体幹のくびれを作るのに欠かせない筋肉で、背中の逆三角形のシルエットを作るのに効果的な筋トレメニューです。

  1. ベンチに仰向けになり、肘を上に伸ばした状態でダンベルを構える
  2. 肩甲骨を寄せて、肘を内側に閉じた状態でダンベルを頭の先に下ろす
  3. 真っ直ぐな肘をキープしつつ、ダンベルを胸の元の位置まで上げる
  4. ダンベルを上げた状態で肩甲骨を寄せて、広背筋が収縮するのを確認する
  5. フォームが崩れてしまわないように注意して同じ動作を設定した回数続ける

大胸筋に効くベントアームプルオーバーのやり方

ベントアームプルオーバーは、大胸筋を鍛えるのに効果的な筋トレメニューです。

縦方向の刺激を入れることで、他の大胸筋トレーニングではなかなか刺激の入らない大胸筋の上部や大胸筋の深部にある小胸筋を鍛えられるのが大きな特徴です。

特に身体を鍛える男性なら「100cm以上の胸囲」は一つの目標になりますが、胸郭の拡張も狙えるベントアームプルオーバーは目標達成のために重要なトレーニングになります。

  1. ベンチに仰向けになり、肘を外側に突き出すように曲げてダンベルを構える
  2. 肩甲骨を寄せて、肘を曲げた状態をキープしながらダンベルを頭の先に下ろす
  3. 肘関節を使わないように注意しながら、ダンベルを胸の元の位置まで上げる
  4. ダンベルが元の位置に戻ったら、少し顎を引いて大胸筋が収縮するのを確認する
  5. フォームが崩れてしまわないに注意して、同じ動作を設定した回数続ける

ダンベルプルオーバーの重量・回数の目安

ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーは中重量種目のため、ベンチプレスなど高重量種目の後に取り入れるのが一般的です。

効果的な重量や回数の設定方法について確認しましょう。

目的に合わせて重量や回数を設定する

筋トレは目的に応じて回数や重量を設定することが重要で、やみくもに実施しても狙った効果は得にくくなります。

重量や回数を設定する際には、「RM(=Repetition Maximum)」を参考にするようにしましょう。

RMとは、「反復可能最大重量」のことで、例えばダンベルプルオーバーで10kgのダンベルを10回上げ下げするのが限界の場合、10kgが「10RM」になります。

そして、下記の表を参考にしながら目的に合わせて回数と重量を決定しましょう。

目的 回数(RM)
筋力向上 3~7RM
筋肥大 8~12RM
筋持久力向上 13~20RM

通常の筋肥大を目的としたトレーニングでは、10RMが10kgなら、「10kg×10回」が1セットになります。

セット数は3〜5回が目安

目的に応じた1セットの回数と重量が決められたら、同じトレーニングを3〜5セット実施するのが効果的です。

ダンベルプルオーバーはセット数を重ねて上げるのが辛くなると、肘関節を屈曲させて上げてしまいがちです。ですが肘関節を使ってしまうと大胸筋や広背筋から負荷が抜けてしまうため、肘はロックした状態をキープするようにしましょう。

どうしても上がらない場合は、回数を減らすのではなく、少し軽いダンベルに切り替えて設定した回数をこなすようにしましょう。

ダンベルプルオーバーの効果を高めるコツ3つ

ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーは、なんとなく実践すると大胸筋・広背筋どちらにも中途半端な効果しかないトレーニングとなります。

そこで狙った効果を上げるための3つのコツについてご紹介します。

コツ1. デクラインベンチを使って負荷を抜かずにトレーニングする

ダンベルプルオーバーの弱点とも言えるのが、ダンベルを垂直に上げきったタイミングです。大胸筋から負荷が抜けてしまうため、その瞬間はトレーニング効果が薄くなります。

ダンベルプルオーバーの弱点を克服するには、デクラインベンチを使うのが効果的です。

フラットベンチしかなければ、ベンチ上で足を使って下半身を上げて、頭を身体よりも低くします。こうすることで胸の上までダンベルを上げた状態でも腕が垂直にならず、大胸筋に負荷をかけ続けながら効果的にトレーニングが実施できます。

コツ2. 手でダンベルを持つ際に、両側からしっかり押して大胸筋負荷を上げる

ダンベルプルオーバーでは、ダンベルを両手の親指と人差し指で挟むようにして持ちます。

その際に両側からしっかり中心に向かって力を込めてダンベルを持つようにしましょう。

合掌した状態で力を入れる筋トレは、道具なしでできる大胸筋トレーニングとして実践する方が多いですが、ダンベルプルオーバーでも同様の動作を付け加えることで、大胸筋へ負荷を増やすことができます。

コツ3. 高重量を扱うようになったら、怪我防止で少し肘を曲げる

ダンベルプルオーバーを取り入れて、高重量が扱えるようになったら、肘の故障に注意しましょう。

ダンベルプルオーバーは肘を伸ばした状態で実践するのが正しいフォームですが、この状態で高重量を持つと、どうしても負荷が肘関節にかかってしまうため怪我の原因になります。

肘に負担がかかっていると感じるようになったら、特にストレートアームプルオーバーでも肘の向きに注意しつつ、少し肘を曲げてトレーニングすることで、肘関節の故障を予防できます。

【Q&A】ダンベルプルオーバーについて多い質問

ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーについて寄せられることの多い質問に回答します。

Q. ダンベルプルオーバーは床でもできる?

フラットベンチが無い場合、床でも実施できますが、フラットベンチのように肩関節の可動域を大きく使ってストレッチさせることができないため、できればフラットベンチを用意することをおすすめします。

床でダンベルプルオーバーをするのに負荷を大きくしたい場合は、ダンベルを下ろした状態でゆっくり3秒数えてから上げるようにしましょう。 

Q. ダンベルプルオーバーはバランスボールでもできる?

バランスボールを使うことで、同時に体幹も効果的に鍛えることが可能です。

ただし、バランスボールを使ってインクライン気味(頭が身体より上)でダンベルプルオーバーの動きをすると、ダンベルを胸の上に上げた状態で大胸筋への負荷が三角筋に抜けやすくなるため、フラットな仰向けになるように意識しましょう。

また大きなバランスボールだと、足が付かず思わぬ事故の原因になることもあるため、まず確実に足の接地が確保できるか確認しましょう。

Q. ダンベルプルオーバーで痛みを感じるのはなぜ?

ダンベルプルオーバーは肩関節の可動域を大きく使うトレーニングメニューです。そのため可動域が広くない方が無理して実施していると肩の故障に繋がりやすくなります。

できれば普段からちょっとした時間を見つけてベンチやベッドで仰向けになり、エアーでダンベルプルオーバーの動作をして関節を少しずつ柔らかくしましょう。

痛みが出てしまっている場合は、無理は禁物ですので、ジムにあればストレッチも兼ねてチューブプルオーバーなど負荷の低いトレーニングから始めるのも一つの手です。

ダンベルプルオーバーで大胸筋・広背筋を効果的に鍛えよう!

ダンベルプルオーバー

ダンベルとフラットベンチだけでできるダンベルプルオーバーの正しいフォームや効果を高めるコツについてご紹介しました。

ダンベルプルオーバーは、フォームを切り替えるだけで大胸筋・広背筋を鍛えることのできるユニークな筋トレです。大きな胸囲を作るための胸郭の拡張にも効果があります。

横方向に刺激を入れる筋トレメニューが多い中、ダンベルプルオーバーなら縦方向に刺激を入れられるので、厚い胸板や逆三角形な広背筋を作るためにもトレーニングメニューに取り入れてみましょう。

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